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キモチ良くなるバイトを長期継続する危険性

大学入学おめでとう、と同時にアルバイトが解禁されるものも多くなる。僕はある程度偏差値が高い高校出身だったので高校時代にアルバイトをすることが禁止されていた。バイト解禁。夢にまで見た月7万円のお金がもらえる生活。テンションは上がるばかり。

悩むのはバイト先だ。
飲食?ん〜辛いって言うしな、ちょっと嫌だな。
日雇いもないな、汚いし治安良くないって言うし。
あ、そうだ通ってた塾でバイトしよう!

これは偏差値60台以上の大学生にありがちなケースである。

(慶應義塾大学の例)

偏差値62.5〜70前後の慶應義塾大学を例にあげると、塾講師24%、家庭教師14%、採点5%となっている。合計43%、つまりおよそ2人に1人が塾などといったアルバイトをしていることになる。実際に、私の周りのたいていの人も塾講師である。


今、ここで一言物申したい。世間一般に高学歴と言われる人たちの多くは、中高一貫校に通い、その上塾にも6年間、長い人はそれ以上通い続けている。大学に入学してもなお、という柱に縋り続けるのか。たかがバイト選びだが、されどバイト選びである。高学歴と言われる人たちは学生時代のアルバイト以外で、もう飲食店のホールスタッフを二度とやらないかもしれない。ましてや、日雇いアルバイトの無限かと思えるような苦行の流れ作業はしないだろう。それゆえ、必要ないからやらなくていいじゃないかと言われればそれまでだ。しかし、塾講師のような自分がキモチ良くなるバイトだけするのは危険だ。

塾でメインで関わるのは生徒であり、そこには明確な上下関係が成立している。生徒<講師という構図である。この構図において、講師はキモチ良くなれる。かわいい生徒がいれば優しく教えるし、生意気な生徒がいれば邪険に扱うことができる。おまけに高時給。まさしくキモチ良くなれるバイトだ。それゆえ離れたくなくなる。やめたくなくなる。
一方、飲食店のホールスタッフにも明確な上下関係が存在する。スタッフ<客の関係である。この缶毛においてキモチ良くなることはできない。常に敬語で丁寧に接客するのはもちろんのこと、嫌な顔なんてしたら殺されると言っても過言ではない。


なぜキモチよくなるバイトだけをするのが危険かというと、自分が偉い、言い換えれば、他人に対して何かしらの影響が与えられていると錯覚する恐れがあるからだ。怠惰な生徒に対して高圧的な態度を取れば、その生徒は次の日の宿題をやってくるだろう。でも根っこの部分は変わらず怠惰だ。しかし講師という立場にある以上、宿題をやってきたというシーンだけを見ることができ、その生徒の根っこの部分まではもちろん見ることはできない。その切り取られた部分で、生徒を変えることができたと思う。僕、私が生徒の出来不出来、合否に影響を与えられた!と勘違いする。危険だ。塾講師のバイトを長い間やっている人にすごく多い現象である。

自分が他人に影響を及ぼそうだなんて烏滸がましいのだ。自分が変えられるのは常に自分だけなのである。

キモチ良くなれるバイトだけに縋るのはもうやめよう。せっかくなんだから関わったことのないバイトだってやってみよう。

それでは良い1日を。


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