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八月の遠い記憶

「あぢー。」
近くのポストに残暑見舞いを出してきた こざるちゃん、
団扇で扇ぎながら、冷蔵庫を開けて、麦茶のポットを出します。

「暑過ぎるのと、コロナとで、外出している人も多くないけれど、今、夏休みなんだよね。」
「いつもよりは少ない夏休みでも、今はお盆休みだし、学校も休みだろうね。」

梅雨が明けて、夏が来たと思ったら、八月も もう半分です。

「夏が終わるのって、なんだか寂しいね。」

夏の終わりという言葉に、寂しさを感じます。

「たくさん遊べる夏休みが終わっちゃうから寂しいんだって思ってたけれど、
もちろん それも寂しいんだけど、八月は やっぱり戦争のことをたくさん思い出す月だからかな。」
「関連番組も多いからね。」

こざる達には戦争の記憶はありませんが、りこちゃんや、りこちゃんと同世代の人達から、
たくさん話を聞きました。

「戦争を体験した人達の 憶えていてほしいっていう気持ちを感じて、それで何だか寂しいと思う月なのかも。」
皆、うんうん頷きます。

「明日は、八月十五日だもんね。」

小さい女の子だった りこちゃんが、一人家族と離れて、学童疎開で北陸へ行き、
玉音放送を聞いた日です。

「以前、りこちゃんに、玉音放送、憶えてる?って聞いたら、意味はわからなかったけれど、
これで 家に帰れるんだって思ったって言ってたよ。」

皆、小さいりこちゃんを想像します。
そして、りこちゃんの遠い記憶を思います。

「そろそろ おやつ、食べようよ!」
「うん、そうしよう!」
「じゃあ、りこちゃん、呼んでくるよ!」

こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へと向かいます。

「りこちゃーん、そろそろ おやつにしようよ! 今日はスイカだよ! 皆で一緒に食べよう!」

今日も、こざるカフェは ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日は更に暑いようですので、どうぞ皆様も くれぐれも気をつけてお過ごしください。
よい毎日でありますように (^_^)

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