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ずっと話を聞くこと

日曜日の午後です。
買い物当番のこざる達二人組は、近くのスーパーへ行って、
帰り道です。

「朝は雨が降りそうって思ったけど、明るく晴れてきたねー。」
「曇っていると寒いけど、お日さまが出てくると ちょっと暑くなるね。」

ちょっとしたことで気温が大きく変わりますし、
また風があるかどうかでも 体感温度が変わるので、
衣服の調整が難しい時期です。

「あ! あの子、お洒落さんだねー。」

こざる達の前を お母さんと 小さい女の子が歩いています。
5, 6歳ぐらいでしょうか、グレーのフェルトのベレー帽をかぶり、
グレーのワンビースを着ています。

「赤いポンポンがかわいいね。」

ベレー帽には赤いポンポンがついていて、
女の子の歩みに合わせて 楽しそうに揺れています。

「セーラーカラーも かわいいね。」
女の子の長い髪に隠れてセーラーカラーが少し見えます。

そして何よりもかわいいのは、女の子がお母さんに たくさん話している様子です。
こざる達は 二人の後ろを歩いているので、正面からの表情は見えませんが、
隣を歩くお母さんに 嬉しそうにずっと話しています。

「お母さんも、うんうんって 嬉しそうにずっと聞いているねー。」
「なんか、いいなぁ。」

子供は、たくさんたくさん話したいことがあります。
たくさんたくさん聞いてほしいことがありす。

「言葉が、どんどん次から次へと溢れてきているねー。」
「お母さんが止めることなく、ずっと聞いているからだよね。」
こざる達は二人で うんうん頷きます。

子供に限らず、私たちは話したいこと、聞いてほしいことがたくさんあるものなのでしょう。
でも たくさんずっと聞いてくれる人は、なかなかいません。
聞くよりも、話したい、話をきいてほしい方が、ずっと強くあるように思います。

「話をちゃんと聞くことって大切だよね。」
「ぼく達が小さかった頃、りこちゃんは ずっとずっと聞いてくれたね。」

聞いてくれる人がいる幸せ。
自分たちは他の人の話をたくさん聞いているだろうか?と
こざる達は思っています。

「ただいまー。」
「おかえりー。」

「りこちゃんに、もうすぐおやつだよーって言って来るー。」

こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、おやつにしようねー。今日はアップルパイだよ!」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
ラグビーワールドカップも、いよいよ決勝戦を残すのみとなりました。
よい毎日でありますように (^_^)

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