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【感想🧸ゴールデンカムイ/1-16巻】国家・民族・イデオロギー

ゴールデンカムイ読んでる

今16巻の途中。
すごいおもしろい。
現状の感想を。

4/28までヤンジャンアプリで無料

今読んでる。
正確には,
前回の無料期間で
ある程度読んでいたので、
続きを読んでる。

16巻の途中なので、
やっと半分をすぎたくらいだ。

始めの印象

北海道の大地で
厳しい自然環境や
野生動物と対峙しながら、
隠された金塊を見つけるための話。

アイヌ文化とか
当時の息づかい的なモノも
知れるんだね、
ふーん。

くらいで読んでいた。

途中(それでも序盤)での印象

唐突に、
土方歳三が実は生き残っていた
if要素がぶち込まれ、
え、
そこで土方歳三?
物語に生かしきれるのか?

と少しの大丈夫か感、
を感じた。

きっゆっう

杞憂だった。

土方歳三が登場してしばらくしてから、
めちゃくちゃメインキャラに躍り出る。

一つの勢力の旗頭として、
重要な役回りを演じつつ、
何より戦闘シーンがカッコいい。

時代の利器である銃をつかいこなして、
必要な場面では抜刀。
抜刀、
抜刀!

じじい対じじいのシーンなんか、
相手の気が抜けたじじいも
急に魂がこもったじじいとして降臨し、
二人合わせて何歳よ、
という疑問もいだかせないまま、
じじい編(数話)のクライマックスまで突き進む。

新幕府軍と旧幕府軍のある種思想的な対立

忠義をつくしたのはどちらか、
真の意味で武士であったのはどちらかという思想。

歴史好きとして、
(司馬遼太郎の幕末系と、コテンラジオ読んだくらいのライト層)
その観点はなかった。

確かにそのとおりで、
合理と正義のためとはいえ、
武士的なものをよしとする日本人が
嫌う概念、
それが新政府軍。
確かにそうかも。

歳三だけではないのだ🐘

歳三だけではなかった。

エッセンス程度、
種火ぐらいに感じていたアイヌの物語が、
イデオロギーとして燃え上がり、
大焦熱地獄(ネガティブな意味ではない)
かのような燃え盛りを見せる。

え、
そういう話なの、
下ごしらえ丁寧すぎない?
ヒンナヒンナ。
と思った。

大国に挟まれた少数民族の現実、
民族を存続させるために取りうる手段はあるのか、
あるとすれば何なのか、
それによる犠牲はなんなのか、
享受できるメリットと
雲散していくデメリットを比較して
その手段を用いるべきなのか、
それを判断する礎として用いる
双方の価値観に
絶対的な正義はあるのか、
人が生き永らえることと
民族や文化を存続させることは
天秤にできるのかーーーーー。

という、
とても哲学的、
根源的な問いに行きつき、
民族の断絶や侵略、
相手国からの簒奪を経験していない人間
もしくは世代からすると、
想像しようとしても
想像しきれない、
そんな観念にいきつく。

すりつぶされる少数民族

日本とロシアの国家的対立や
それに巻き込まれる人々の構図は、
否が応でも
西側諸国とロシアの軋轢の間で
すりつぶされる国と
まったく重なって見える。

制作側の意向

作者は、
無料公開にしたことについて、
みなさんと共に最後を迎えたいと言っていた。
(Twitterで見た。文章の正確性は少し不明瞭)

最後を一緒に迎えたいと確かに思えたし、
アイヌや北海道の文化、
歴史を知ることの重要さや純粋な好奇心、
少数民族の苦難の歴史についても
もっとよく知りたいと思えた。

すごくいい作品だと思えた。
(まだ読んだの半分)

無料公開が4/28までなので
読める分は読み切りたいし、
最後は課金してまで読みたいと思える感を
ありありと感じた。

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