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ペーパードライバーだった私が思うこと

標高1100mの山の中にいると、公共交通機関というものがほとんど使えない。
一応家から徒歩で10分くらいのところにバス停はあるのだが、本数は1〜2時間に1本程度しかないのです。(しかも終バスも夜の7時と早い)

なので必然的に日常的に車を運転するようになったのだが、移住前はこの「運転マストな環境」というのことにも頭を悩ませていました。

なにしろ私は18で免許は取ったもののその後ずっとペーパードライバー。妻からも「世界一助手席が似合う男よね」と皮肉られるくらい運転が苦手だったのだ。

しかも、移住前に学校見学に来た際には、雪の山道で立ち往生してしまい(無謀にも二駆だった)、真夜中に半泣きでJAFを呼んで助けてもらったりしていたのも怖気付いてた理由だったりする。

こんな街灯も無い、近くにコンビニもない、野生のクマにも遭遇しちゃうようなところ(しかも冬は雪が深い)、毎朝毎晩運転するなんて信じられなーい!😱

なんて当時は思っていたけど、今ではむしろ

「密になるな」とか言われてるけど、毎朝毎晩満員電車に乗って通勤してるだなんて信じられなーい!😱

と、心から「移住してて良かったわー」と感じている。

長野県の人口密度は東京の1/40以下、その長野県の山の上からマイカー通勤で、しかも勤務先は「リモートワーク推進企業」なんで出社率はおおよそ3割程度でオフィスはガラガラ。

月1程度であった東京出張も全部オンライン会議になったし、生活の中で密を感じることは殆どない。そもそも最初からノーサンキューだけど飲み会の機会とかも全然無くなっている。

感覚的だけど、この環境のおかげで感染リスクは東京の人と比べれば1000分の1くらいな気がします。

そんなわけでNEW NORMALでも全然ストレスフリー。


とはいえ、子供たちは通学大変なんじゃないの?と思われるかもですが、全っ然大変ではない。(なぜなら私が毎朝学校まで送っているから)

朝7:00のバスに乗れば自力でも通学できないことはないのだが、バス亭まで距離もあるし(クマもでる環境だし)、逃すと確実にアウトだし(次のバスは9:00過ぎ)、なにしろバス代も高いので、会社までちょっと遠回りになるけど(最近はリモートも多いので自宅までUターンのパターンも多いが)ほぼ毎朝乗せていきます。(娘のお友達も一緒に)

娘は大体帰りはバスですが、息子は部活だ塾だで遅くなってたので退社時間に合わせてピックアップしてました。「朝も晩も学校近くまで運転手が送迎って一体どんな身分だよ」と時折「甘やかしすぎかなー?」なんて思ったりもしましたが、別にそれで自立心が育たないなんてことはなく。16歳にして、さっさと親離れして海外に行ってしまった。

毎朝叩き起こすのが大変だったり、仕事切り上げるのが難しかったりと負担もありますが、毎日朝晩車の中で子供と同じ空間を共有できたこの時間はとても貴重だったと思っています。(娘はまだ現在進行形ですが)

自分が思春期の時に親との会話なんて殆どなかったなーと思ったりするのだが、さすがに毎日送迎してると「今日はこんなことあった」とか「●●、うざい」とかポロポロと話してくるし、今流行ってる音楽とかも一緒に聴きたりできる。

YOASOBIとかAdoとか、私は結構ミーハーな音楽が好きなのだが、最近聴いてる曲は全て子供たちに教えてもらった。我が家にはテレビがないのでこの手の流行りものには疎いはずなのだが、子供たちはなぜかしっかりキャッチアップしている。

息子と違って話好きな娘は車中ひたすら話をしてくれるし、家では聞けないNiziUだとかTwiceを聴けるのが嬉しいらしい。(妻は私と違ってミーハーな音楽は大嫌い) 息子は後部座席でふんぞりかえって眠りこけていたが、娘は必ず助手席に座ってスマホの操作を手伝ってくれたり、お菓子の袋を開けて食べさせてくれたりするのが、何気に嬉しい。

あと子供たちも、何をしようにも「親に送ってもらわなきゃどこにもいけない環境」にいるせいか、ある意味とても素直(打算的ともいう)だし、家の中でいがみあった直後でも「車という狭い空間」で一緒に移動してると、不思議と気持ちが落ち着いたりもします。 

なので、交通面ではかなり不便ではあるが、家族間でそれなりに密度の濃いコミュニケーションが必須な環境というのは私にとって大きな副産物だったと思っている。日々の車での送迎の時間が無かったら、アスペな息子も私も、成長するにつれどうコミュニケーションをとって良いかわからず希薄な関係になっていたかもしれない。 

なのでペーパードライバーを克服できたことは本当に大きい。慣れるまでに、何度か側溝に落ちたり、会社の社用車ぶつけて凹ませて始末書書いたりしましたが、まあなんとか慣れるものです。

でも元ペーパードライバーな私としては、移住(長野県)に興味があるものの「田舎は運転ができないとな〜」と二の足を踏んでしまってる方も少なからずいるんじゃないかなと思ったりもします。 そんな方に気休め程度かと思いますが伝えたいのが「長野県民の運転マナーはすこぶる高く、運転しやすい環境」だということ。 

高齢者ドライバーも多いので、たまに超低速で走っているおじいちゃん、おばあちゃんも見かけますが、マナーの悪い暴走者は本当にあんまり見かけません。私が比較的短期間でペーパードライバーを克服できたも長野県だったからかも。 

四季折々で表情を変える山並みを眺めながらの運転は楽しいですよ!

written by 小雪男 / koyuki_otoko




















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