恋はつづくよいつまでも【意味がわかると怖い話】

前に投稿したものを解説付きで再投稿します。

先生がわたしの顔を覗き込んだ。鼻先が触れ合うくらい先生の顔が間近に迫る。ドキドキした。呼吸が速くなり、体中が汗ばむ。

先生の手がわたしの胸に重ねられた。ああ、天国にも昇る気持ち。

（了）

ここから解説になります。ネタバレなのでご注意を。

解説

この話は男女の逢瀬のようで、実は全然違います。

以下、本文を引用して解説していきます。

先生がわたしの顔を覗き込んだ。鼻先が触れ合うくらい先生の顔が間近に迫る。

最初の文章は、医師が語り手の生死を判断するため瞳孔を確認しているところです。

ドキドキした。呼吸が速くなり、体中が汗ばむ。

動悸、呼吸困難、発汗。語り手の体に表れているのは、急性心不全の症状です。

先生の手がわたしの胸に重ねられた。

医師は心臓マッサージで蘇生を試みます。

ああ、天国にも昇る気持ち。

必死の救命処置虚しく、語り手はお亡くなりになりました。

タイトル『恋はつづくよいつまでも』

語り手はおばあちゃんです。いくつになっても心は乙女。人生の最後、おばあちゃんは病院で救命に当たった医師に恋していたのかもしれませんね。