見出し画像

地球を守るための取り組み「ミートフリーマンデー」って知ってる?

昨日は、ペスカタリアン・フレキシタリアンとは何かヴィーガンやベジタリアンとの違いについてご紹介しました。本日はその続編として、なぜペスカタリアン・フレキシタリアンといった選択をする人が増えているのか、その理由についてまとめてみました。

前編は下記のリンクから読めます。

ペスカタリアン・フレキシタリアンを選択する理由とは?

ペスカタリアン・フレキシタリアンを選択する理由として、環境保護のためという方が多いようです。もちろん、食べ物の好みや体質、宗教上の理由、健康上の理由、肉食への抵抗感など、その理由は人によってさまざまです。それらが複合的に組み合わさって、ペスカタリアン・フレキシタリアンを選択している方もいます。

ペスカタリアンは「魚以外の動物性食品を食べない」、フレキシタリアンは「ベジタリアンでありながらも、場面に応じて動物性食品も食べる」という選択でした。両者に共通するのは、牛・豚・鶏などの哺乳類・鳥類の肉を避けるという点です。

では、なぜ哺乳類・鳥類の肉を食べないことが環境保護につながるのでしょうか? それは、家畜産業が地球温暖化の大きな原因のひとつといわれているからです。


家畜産業がもたらす地球への影響

牛のゲップからメタンガスという温室効果ガスが多く排出されるという話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。しかし、家畜産業における環境負荷は、それだけではないのだそうです。

ここでは、それらの問題を大きく4つに分けてご説明します。

温室効果ガス

家畜から排出される温室効果ガスは、世界の温室効果ガスの約14%を占めるのだそうです。その主な原因は、牛のゲップ。牛は、食べた草を胃から口に戻しながら食べる「反芻」を行います。このときにメタンガスを多く発生させるのです。

家畜によって排出される温室効果ガスの総量は、すべての乗り物から排出される温室効果ガスに匹敵するそうです。環境問題について語られる際、よく自動車による排気ガスなどが取り上げられますが、家畜産業がそれに匹敵するほどの負担になっているとは驚きです。


水質汚染

工業型畜産で使用される大量の抗生物質やホルモン剤などは、水質汚染を引き起こします。せまい土地でより多くの家畜を育てるために、薬品が使用されているのです。これらを投与された動物の糞尿が水路へ流され、川や海が汚染されてしまうのだそうです。

また、家畜の飼料として栽培される作物にも大量の化学肥料・除草剤・農薬などが使われています。それらも同様に川へ流れ込み、水質汚染の原因となっています。


森林伐採

1980年〜2000年の20年間で、約1億ヘクタールの熱帯雨林が失われたそうです。その多くは、牛の放牧や家畜の飼料栽培のための、大規模農園の開発によるものでした。工業型畜産は現在、地球の陸地の約4分の1を使用しているのだといいます。

家畜による森林伐採というと放牧を連想しがちですが、実は飼料栽培にもかなりの農地が必要です。たとえば全世界で生産された大豆のうち、90%以上は家畜動物によって消費されています。(人が消費しているのは10%以下)


水不足

動物の飼料栽培や生産、動物の屠殺や加工など、家畜産業は多くの水を必要とし、1kgのステーキには約1.5トンの水が必要ともいわれています。

現在、世界の約7億人が水不足に苦しんでいます。干ばつや地下水の減少により、農業用水や飲み水さえ十分に得られない状況です。環境問題は未来の話ではなく、いま現在、地球上で起きている問題なのです。


動物愛護の側面も

ペスカタリアン・フレキシタリアンをはじめとしたベジタリアン志向の方は、動物愛護という観点から、それを選択している人も多いようです。

家畜産業での生産は、動物にとって残虐な方法で行われることも多いのだといいます。可能な限り、動物からの搾取を減らしたいという思いから、肉を食べないという選択をとっています。


ミートフリーマンデーとは?

ヴィーガンは少しハードルが高いけど、ペスカタリアンやフレキシタリアンには興味がある、という方は、「ミートフリーマンデー」に取り組んでみるのがおすすめです。

「ミートフリーマンデー」とは、月曜日は肉を食べないことで環境保護に貢献しよう、という運動です。元ビートルズのメンバー、ポール・マッカートニー氏が積極的に推進していることでも有名です。

肉が好きな人でも、週に1回だけならチャレンジできそうな気がしませんか? 今は大豆ミートアーモンドミルクといった、植物性の代替食品もたくさんありますし、魚が食べられるのであれば、無理なく続けられそうです。

興味のある方は、ぜひ来週から「ミートフリーマンデー」に挑戦してみてはいかがでしょうか?


まとめ


私はベジタリアンでもなければ、フレキシタリアンでもありません。今まで肉を食べることに罪悪感を持ったことすらありませんでした。

しかし、今回アクティビスト・eriさんの発信を通じて、こうしたペスカタリアン、フレキシタリアンといった言葉を知り、さらに家畜産業が地球にもたらす影響についても知ることができました。自分とは少し遠いことのように感じられていた環境保護への取り組みに対して、前向きになれた気がします。

日本に生きていると、環境問題なんて意識しなくても快適に暮らしていくことができます。しかし、環境破壊によって現在進行形で実害を受けている人々もたくさんいることを思い知らされました。環境保護活動は、「未来の地球のため」ではなく、「いまを生きている誰かのため」でもあるのです。

肉か魚で迷ったとき魚を選択してみる、大豆ミートのメニューがあれば選んでみる、そんなちょっとした意識の変化でいいのだと思います。ひとつの行動は些細なものでも、それが大きな力につながっていくものと信じたいです。私も、ミートフリーマンデーから始めてみたいと思います。

なによりもまず、「知ること」だと感じます。この記事が、誰かにとって「知ること」のきっかけになれば幸いです。


【参考】
Spaceship Earth「ペスカタリアンとは?食べれるものとデメリット、ヴィーガンとの違いと効果を解説」のり(執筆)2023年11月6日発行

IDEAS FOR GOOD「ペスカタリアン(ペスコ・ベジタリアン)とは・意味

ELEMINIST「ゆるい菜食主義者「フレキシタリアン」 ヴィーガン、ベジタリアンとの違いとは」2020年8月19日発行

グリーンピース・ジャパン「牛のゲップだけじゃない。肉の大量消費が引き起こす10の環境問題まとめ」2021年7月5日発行

東京新聞 TOKYO Web「バカにできない?肉の生産で出る温室効果ガス」2020年7月28日発行

地球村「5分でわかる水資源の危機」2016年11月11日発行

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?