キョート発ネオサイタマ行き急行列車_ヘッダー画像

ニンジャスレイヤーTRPG シナリオ『キョート発ネオサイタマ行き急行列車』

1.初めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」のプラグイン環境に対応したシナリオである。壁を越えた能力値を持たないニュービー3~4人、またはシックスゲイツ級、もしくはそれ以上の能力値を持つベテランPC3~4人程度の戦力で攻略することを前提にデザインされており、パーティ全体の能力によってシナリオとしての性質は大きく変わるだろう。上記の人数や、想定されているPC側の戦力はあくまで目安であり、NMはどの程度の人数、どの程度の戦力までなら無理なく楽しめるか、各々で判断すること。非常に危険なシナリオとなるので、NMは事前にキャラロストの危険が大きいシナリオであることを伝えておくことが望ましい。

※当記事は第2版に対応したリメイク版が公開されている。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」

のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

 これらの文にはNMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。

2.シナリオの概要

:このシナリオは、PC達がソウカイヤと敵対するニンジャ組織、ザイバツ・シャドーギルドの本拠地であるキョート・リパブリックでの調査任務を終え、急行列車に乗ってネオサイタマへと帰還しているシーンから始まる。危惧されていたザイバツニンジャとの交戦もなく、めぼしい情報も得られなかったため、ボーナスは期待できないが、このまま帰還すればそれなりの報酬は得られるだろう。しかし、ハイキングはドア・トゥ・ドアとのコトワザもある通り、トコロザワ・ピラーに帰り、報告を行うまで油断はできない。しかし、PC達を待ち受けていたのは、そのコトワザを胸に警戒を怠らずにいたものにも、報酬への期待に上機嫌になっていたものにも、予想もつかない運命であった。

3.導入

:PCたちはキョートでの視察を終え、列車に乗って帰還する最中である。今回のミッションは、特につつがなく終わった。特にめぼしい情報は無く、危惧されていたザイバツニンジャとの交戦もなかったため、ボーナスは期待できないが、このまま帰還すればそれなりの報酬は与えられるだろう。

:黄色いマスが、あなたたちの席です。それぞれのPCを配置してください。

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◆乗客(種別:モータル)
カラテ     1  体力    1
ニューロン   1  精神力   1
ワザマエ    1  脚力    1
ジツ      0  万札    1
スキル:『カルマ:善』
装 備:なし

※殺害時は最低でもDKKが1発生。殺害方法次第では最大3までのDKKが発生。
『サツバツ!』や『ヒサツ・ワザ』によるDKKはその値に上乗せされる。

 ここでNMは適度にロールプレイの期間を挟む。頃合いを見て、「4.敵襲」に移行すること。モータルなどを攻撃したりは一応可能だが、PC達が他の部屋の探索に向かおうとした場合は即座に「4.敵襲」へと移行すること。※尚、このシーンでのモータル虐殺は不必要な騒ぎをひきおこし、ミッションに支障をきたしかねないので、よほどのことがないかぎりは避けるのが自然である。それでも強行したPCがいた場合、デスドレインにそのことを評価させ、今後のシナリオ展開に利用するのもいいだろう。

ギミック:運行制御UNIX
:このマップでは、運行制御UNIXに隣接するか、重なった状態でのハッキング判定を行い、暴走トレインを停止させない限り脱出時にU-HARDの【ワザマエ】判定を強いられる。失敗した場合、回避不能のD6+6ダメージを受ける。移動後はハッキング不可。ハッキングを行ってから、減速するまでにはタイムラグがあるため、判定無しの脱出が可能になるのはハッキングを成功させた次のターンの開始時である。尚、ハッキング失敗時の【精神力】ダメージは通常通り1である。

4.敵襲

:不意に列車の中に、一陣のカゼが吹いた。

:その次の瞬間、あなたたちの目の前には赤と青のマントに身を包んだ、二人のニンジャが立っていた。そのマントには、禍々しきザイバツ・シャドーギルドのエンブレムが描かれている。

:「ドーモ、クレナイマントです」「ドーモ、グンジョウマントです」「その下賤なる脚でキョートの地を踏み荒らした罪は重いぞ」「偉大なるロードの命において、お命頂戴いたす」

:「「「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」」」

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◆クレナイマント(種別:ニンジャ)アイコン:ク
カラテ     4  体力    4
ニューロン   3  精神力   3
ワザマエ    2  脚力    2
ジツ      0  万札   10
スキル:『特殊近接ステップ』
装 備:『ガルシア(カタナ)』
◆グンジョウマント(種別:ニンジャ)アイコン:グ
カラテ     4  体力    4
ニューロン   2  精神力   2
ワザマエ    3  脚力    2
ジツ      0  万札   10
スキル:『トリガーハッピー』
装 備:『ノーカスタム・ピストル』

◇ノーカスタム・ピストル:遠隔武器、拳銃、ダメージ1。
ザイバツニンジャ2人の行動指針と特殊補正。
:基本的には、クレナイマントの特殊近接ステップで隣接可能なマスにいるPCを最初のターゲットとする。そういったPCが複数いる場合は、可能な限りグンジョウマントが追撃に射撃専念を用いることができる位置にいるPCを優先するだろう。
:クレナイマントは『フェイント斬撃』を好む。
:グンジョウマントは『トリガーハッピー』の使用を好む。
NMの情報:このザイバツ・ニンジャ二人は、上司であるザイバツ・シャドーギルドのマスター位階に属するニンジャ「テイルウインド」のジツによって列車の内部にワープしてきた。テイルウインドは線路の外からタイミングを見計らって二人を送り込み、自身は手を汚さずことを進めるつもりでいるため、PC達の前に現れることは基本的に無いが、PC達がテイルウインドへの反撃を望むなら、「続き」を作る際に以下のデータを利用してもよい。
モータルの行動について:基本的に、モータルの乗客はカナシバリ・ジツなどによって強制的に動かされない限り、戦闘中、移動や行動を行わない。
◆テイルウインド(種別:ニンジャ)
カラテ     5  体力    5
ニューロン   5  精神力   5
ワザマエ    7  脚力    5
ジツ      4  万札   20
スキル:『疾駆』『タツマキ・トルネードLv3』『カゼ・ジャンプ』
装 備:『オーガニック・トロスシ』

☆タツマキ・トルネードLv3:無属性であること以外はカトン・ジツLv3と同様である。

★カゼ・ジャンプ:基本的には『カトン・ジャンプ』と同様だが、
隣接している味方も同時にワープさせ、移動後、自身に隣接するマスに配置することが出来る。
また、自身はワープせず、味方のみをワープさせることも可能。その場合、自身がジャンプできる
マスから任意に1つ選び、そのマスを中心とした3×3マスにワープさせた味方を配置する。
1人でも壁を越えて移動する場合、【精神力】消費は2となる。
隣接してさえいれば、同時に複数人をワープさせることも可能。対象はテイルウインドが選択する。

台詞.描写案

クレナイマントのフェイント斬撃(初回):クレナイマントは<攻撃対象となったニンジャ>へ向かって素早く踏み込み、ガルシアの名を持つカタナで切りかかった!「イヤーッ!」(命中判定)ガルシアの一閃が<攻撃対象となったニンジャ>の肉体を割き、鮮血が噴き出す!

グンジョウマントのトリガーハッピーを用いた連射攻撃(初回):「蜂の巣にしてくれよう!」グンジョウマントの持つピストルの銃口が<攻撃対象となったニンジャ>へと向き、激しく火を噴く!BLAMBLAMBLAM!(命中判定)銃弾の嵐が、<攻撃対象となったニンジャ>を襲う!

5.デスドレイン

クレナイマント、またはグンジョウマントの体力低下をトリガーに現れた場合:突如として、貨物室の扉を突き破って表れた黒いスライムオバケめいた触手が、<対象となったザイバツニンジャ>の体を刺し貫いた。「え......?」

:「アバッ、アバッ、アバッ」<対象となったザイバツニンジャ>の身体が、黒いタールめいた液体を吐き出しながらびくびくと痙攣する。スライムオバケめいた触手はしばしの間<対象となったザイバツニンジャ>の体を弄んだ後、飽きた玩具を壊すかの如く無造作に押しつぶした。「サヨナラ!」爆発四散!

:「ヘヘ、ヘヘヘ、ヘヘヘヘヘヘヘ......!」人を馬鹿にしたような笑いが、車内に響き渡る。「面白そうなことになってるじゃねえの。俺も混ぜてくれよ!」

:痩せた体躯の不気味なニンジャが、体中から黒い物体を滴らせながら現れ、おどけるようにアイサツした。「ドーモ、デスドレインです。タダ乗りさせてもらってるぜ」

※デスドレインに殺害されたザイバツニンジャの所持していた万札は、そのザイバツニンジャの爆発四散したマスにトレジャーのように配置される。そのマスで移動を終え、『その他の行動』を消費することで獲得が可能。

該当シチュエーションにおけるデスドレインの初期配置 ※アイコンは『デ』

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PCの側から倉庫に足を踏み入れた場合:貨物室の中には、黒いスライムオバケめいたゲル状の物質が、蜘蛛の巣のように張り巡らされていた。それによって形作られたハンモックの上で、痩せた体躯のニンジャが横になっている。「よう。ただ乗りさせてもらってるぜ」

:「ドーモ、デスドレインです」

:「騒ぎに乗じて火事場泥棒ってか。いい根性してるなぁ、お前。いいよいいよ、ドーゾお好きに」

:「......どうせ、お前ら全員、ここから生きては帰れねぇんだからな!」

該当シチュエーションにおけるデスドレインの初期配置。

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出現:クレナイマント、またはグンジョウマントの【体力】が2以下になったタイミングで出現。出現時、【体力】が2以下となり、出現の引き金となった1人をアンコクトン触手で殺害する。クレナイマントとグンジョウマントが双方健在の状態から、どちらかの【体力】が一撃で3以上から0以下まで削られた場合などは出現せず、もう1人が条件を満たすのを待つ。両方とも爆発四散した場合は、その次のターンの初めに登場し、通常通り戦闘を開始する。また、PCが貨物室に移動した場合も、様子をうかがっていたデスドレインと遭遇する。その場合は先述の流れは放棄され、デスドレインは通常通り戦闘に参加する。

※備考:それより前にPC達が右の車両に行き、列車を止めようとするかもしれない。その場合は、クレナイマント、グンジョウマントの体力が2以下になっていなくても、ターン終了時にデスドレインを出現させてもよい。ただし、デスドレインの出現と同時にクレナイマント、グンジョウマントのどちらかが死亡することはない。
攻撃:条件を満たすまでの間は、『アーチ級アンコクトン・ジツ』は使わず、視界内のキャラクターに『アンコクトン触手』で攻撃する。『アーチ級アンコクトン・ジツ』の使用が解禁される条件は以下のとおりである。条件①、②は、満たした上で発動せずとも問題ないが、条件③を満たした場合、原則としてその場で発動する。④のの条件を満たした場合は『強化版』を使用する。④の条件を満たすほどPC達が強い場合、『死体吸収』を行うため、序盤のうちはモータルへの攻撃を控えるだろう。また、『アーチ級アンコクトン・ジツ』の強化版を用いる必要があるほどにPC達が強い場合は、共通追加ルールから『スリケンとジツの回避難易度上昇』を採用した上で、『アーチ級アンコクトン・ジツ』の強化版による攻撃が始まるターンに、アトモスフィアを一気にウルトラハードに上げてしまうことが推奨される。その場合、事前に『スリケンとジツの回避難易度上昇』が適用されていることをプレイヤー達に伝えておくこと。
条件①:デスドレインが出現したターンから数えて4ターンが経過した。
条件②:デスドレインの【体力】または【精神力】にダメージを与えた。
条件③:運行制御UNIXに重なるか、隣接しているキャラクターがいる。
条件④:NMがデスドレインにとっても余裕のない状況であると判断した場合。プレイヤー側のチームが、能力値合計30~40のPCを中心とした構成の場合は、基本的には1ターン目から適用していくのがいいだろう。
行動指針:基本的には、逃げられないように右側の車両にいるPCを優先する。ただし拘束しているPCがいるなら、基本的にはそちらへのトドメを優先する。あくまで指針なので、ムテキ・アティチュードを持つPCを相手取る時や、右側の部屋にいるPCが1人で、左側の部屋に3人固まっている場合などは、状況や対象のデータに合わせてNMが判断すること。
アーチ級ソウル鑑定:デスドレインは、極めて高いソウル感知能力を持ち、PCからアーチ級ソウルの気配を感じ取ることがある。デスドレインの攻撃で体力が0以下になったPCは、ソウルの格が不明である場合に限り、爆発四散、または行動不能状態となる前にその場でD6によるソウル鑑定を行ってもよい。ルールは公式プラグインにある、カルマ・ロンダリングで12の目を出した際の鑑定と同様である。ロンダリングで12の目を出した時とは違い【名声:ソウカイヤ】は上昇しないが、【ジツ】値+1などのメリットは通常通り受けられる。アーチ級ソウルと判定された場合、デスドレインはそのPCを【体力】0の状態で、公式プラグインの『装備ルールとアイテム』の項にある『NPCや重要アイテムの運搬とペナルティ』と同様のルールにのっとり取得する。ロールプレイ次第ではNMはソウル鑑定関係なく、デスドレインがそのPCを気に入ったことにして、同様に体力が0以下となったPCを同様の形で取得させてもよい。デスドレインの呼びかけに答え、ソウカイヤを裏切りそうなPCがいた場合、タイミングを見計らって勧誘ロールを行い、そのままデスドレイン一味に加入する形にしてもいいだろう。アーチ級ソウルとは関係なくデスドレインに気に入られたPCも、列車での戦闘が終了した後にソウル鑑定を受けることができる。シナリオ中、1度でもデスドレインに取得されたPCが出た場合、それ以降に【体力】が0以下となった他のPCが、見逃してもらえるかを決めるためのソウル鑑定に挑戦することは出来ない。単純に裏切ったPCがいた場合は状況を見て決める。
NM向けの追加情報:デスドレインに取得されたPCは、デスドレインが倒されないまま他のPCがマップ上からいなくなった場合5-2『デスドレイン一味へ』に移行する。
コラム:注意点や失念しやすいルール。備考。
①『強化版』の発動は、判定に成功した次の手番である。
②ザイバツ・ニンジャがアンコクトン触手による不意打ちで死亡した場合も、その後出現したデスドレインの精神力は基本的に満タンのままである。ここが気になる場合、デスドレインが事前に「風呂」などのボーナスで精神力を+1してきたものとして考えてもいいだろう。
③デスドレインは『不滅』『即死無効と欠損部位即時再生』の効果により、通常なら爆発四散するダメージを受けても、しばらくの間戦闘を継続でき、倒されたとしても、特殊な手段を用いない限り爆発四散せず、行動不能状態となったのち、ターン終了時にマップから取り除かれる。デスドレインが行動不能状態となってから、ターン終了時までにPC達の手番が存在する場合、行動不能状態のデスドレインに対する攻撃でも、サツバツ!やヒサツ・ワザの残虐ボーナスが通常通り得られることにしてもよい。

台詞、描写案

アンコクトン触手(初回):デスドレインの体から湧き出すタール状の物質が、無数の触手となって暴れまわり、乗客の命を次々と奪っていく!「アイエエ!?」「アイエアバッ」「アバババババーッ!」「ヘハハハハハ!ヘハハハハハハ!さァさァ、早く逃げないと、潰されちまうぜ!?ヘハハハハハハ!」デスドレインは楽しそうに、手拍子を打ちながら体を揺らしている。

拘束(初回):「ヘヘヘ!残念!つーかまえた!」無数の触手が、蛇のように<対象となったキャラクター>の体に巻き付く!

アーチ級アンコクトン・ジツ:「んー。ちょっとアレだな」デスドレインは腕を組み、体を揺らしながらあなたたちの方を値踏みするように見つめる。「とりあえず、二倍にしてみっか!」デスドレインの体から、乗客の死体から、壊れたポンプのように黒い液体があふれ出す!

アーチ級アンコクトン・ジツ(強化版):「......気に入らねえなあ。もっとビビってくれねえと、こちらとしても張り合いがねえ」デスドレインは腕を組み、体を揺らしながらあなたたちの方を値踏みするように見つめる。

:「困ったぜ。こんなんじゃ、その舐めたツラを、どうしてもメチャクチャにしてやりたくなっちまうじゃねえノ」デスドレインの体から、壊れたポンプのように黒い液体があふれ出す。

:「......まあ、せいぜい楽しませてくれや!」

ムテキ・アティチュードLv3などでアンコクトンを無効化された場合:「アー、こういうやつか。ランペイジがいりゃあ話がはええんだがな」と発言する。ただし【精神力】を削り切り、押し切れる可能性が十分にあると判断した場合は、それに続き「マ、いいだろ。その分長く楽しめるってもんだぜ、ヘ、ヘ、ヘ」と下種な笑いを浮かべる。

デスドレインがダメージを受けた場合(初回):「アァァァア!?」

:「畜生が!テメエ、何様のつもりだ!?何様のつもりだ!?何様のつもりだ!?」

本来なら戦闘不能となるダメージを受けた上で、『不滅』と『即死無効と欠損部位即時再生』の効果によって戦闘を継続する際の描写:デスドレインの体から流れ出る暗黒物質の濁流が収まっていく。『嘘だろ......畜生が......どうにかなるんだろ......?どうにかしてくれんだろ、おい、神様よぉ......』デスドレインは、腕を振るわせながら後ずさった。

:「ガイオン......ショージャノ......カネノコエ」デスドレインの喉から、謎めいたチャントが漏れる。「ショッギョ、ムッジョノ、ヒビキアリ」

:「タダハルノヨ......ユメゴトシ......」「アアア!アアアア!」老いた声にデスドレインの声が重なる。「ヒトエカゼ......」

:「チリオナジ!」再び、デスドレインの体から暗黒物質がポンプめいて流れ出る!

デスドレインが戦闘不能となった場合:「AAAARGH!」黒い濁流が力を失い、広がっていく。

:わずかに残った暗黒物質が、デスドレインを生かすべくデスドレインの肉体を乗せて窓の外へと流れ出る。「畜生が!畜生が!畜生が!覚えてやがれ!」デスドレインは力を失った暗黒物質を切り離し、肉体が線路に叩きつけられる激しい音と共に列車の後方へと消えていった。

貨物室のトレジャーボックス

1:オーガニックスシ
2:トロ粉末
3:ZBRアドレナリン注射器
4:カタナ
5:オーガニック・トロスシ
6:緊急脱出用特殊スーツ ※最大で2つまで。3回以上6の目が出た場合は振り直す。

◇緊急脱出用特殊スーツ:ザイバツ紋の刻まれた脱出用スーツ。所持しているキャラクターは
脱出時の【ワザマエ】判定の難易度を-1できる。使い捨て。

5-2.デスドレイン一味へ

:あなたが目を覚ますと、目の前で悪魔が笑っていた。

:「ヘヘヘ。オハヨ」

:どうやらデスドレインは、電車が停止した後、近場を走っていた車を『ヒッチハイク』し、そこに意識のない君を押し込んだようだ。運転手は舌が抜かれており、恐るべき暴力によってデスドレインに従わされていることが見て取れた。

:「なあに、殺しゃあしねえよ。お前を見てピンと来たんだ。お前は生かしておいた方が面白いってな」

:「なあお前。俺と来いよ。楽しくなるぜ。どうせ、不満だらけで暴れ足りねえんだろう?好き放題できなくてイライラしてんだろ?俺たちで全部、メチャクチャにしてやろうじゃねえか」

:ここでPCは『デスドレイン一味』に加入するかの決断を迫られる。

跳ねのけた場合:「あっそ。まあ、こういうのは強制できねえからな」

:デスドレインのアンコクトン触手が、あなたを掴み、車外へと投げ捨てる。

:「ヘヘヘ!じゃあな!また会おうな!」デスドレインの乗った車が、満身創痍のあなたを置いて去っていく。

:何はともあれ、あなたはこの場を生き延びることに成功したようだ。

受け入れた場合:「へへ、話が早いじゃねえか!

:「さっそくだが、俺はネオサイタマに来るのは初めてなもんでな。下調べも無しに来たもんで、今んとこ完全にノープランなんだ。せっかくだし、ちょっくら観光案内頼むぜ。メチャクチャしがいのある場所、知ってんだろ?」

:『デスドレイン一味』に加入したPCは、このシナリオの報酬の山分けに参加できなくなり、今回の余暇が全て『モータルハント』で埋め尽くされてしまうが、先述のソウル鑑定とは別に、以下の効果を得る。尚、デスドレインはPC達に与えられる今回のシナリオの余暇と同じ程度の期間暴れた後、キョートへと帰還するため、ソウカイ・ニンジャとしての活動は続行してもよい。

①モータルハントの際、その回数や、ダイスの出目を問わず、必ずDKKの増加が発生する代わりに、得られる【万札】が2倍になる。

②今後、シナリオ開始時に【DKK】が0だった場合、自動的に2まで上昇する。

③通常のカルマ・ロンダリングにおける判定ダイスの結果が、自動的に最低値となる。必然的にそのPCは通常のカルマ・ロンダリングにおいて『痴れ者めが!』と『ブレイコウも大概にせよ』の効果以外を受けられなくなる。

④DKKが12(上限値)の時のみ使用可能な余暇プランとして『デスドレインとの接触』の選択肢を得る。余暇スロット1日と、DKK12を消費し、以下の効果のうち1つを選ぶことが出来る。どの場合でも、そのニンジャは『ニンジャソウルの闇』を得てしまう。尚、暗黒カラテ衝動『破壊衝動』をまだ得ていなかった場合、この『ニンジャソウルの闇』による暗黒カラテ衝動はダイスロール無しで自動的に『破壊衝動』となる。

デスドレインとの接触
選択肢1:【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のいずれかを1成長させる。その能力値が6だった場合、『成長の壁(1)』を取り除き7となる。『成長の壁(2)』を取り除き13にすることは不可。
選択肢2:【ジツ】を1上昇させる。『成長の壁(1)』を取り除き4以上まで上げることも可能だが、『成長の壁(2)』を取り除き7にすることは不可。

※『デスドレイン一味』になった時点で、ニンジャソウルの闇の克服は基本的に不可能となる。ただし、シナリオ中にデスドレインが倒された場合は、『デスドレイン一味』としての補正をすべて失う代わりに、ニンジャソウルの闇の克服が可能となる。【体力】を0以下にするか、【精神力】を-1以下にすればよく、『不浄の炎』などで完全に滅ぼす必要はない。

報酬

デスドレインから逃げ帰った場合:あなた達が帰還した後、デスドレインはネオサイタマで思うがままに暴れはじめる。このことはソウカイヤとしても看過しがたく、実際にデスドレインに遭遇し生還したあなた達は、本来の手はずではキョートでの調査結果を上層部に提出し、報酬を受け取ってミッション終了となるはずだったところを、急遽ラオモト・カンの前に呼び出され、『ラオモト・カンの評価タイム』を受けられることになる。

デスドレインに勝利した場合:あなた達はザイバツの刺客にも、デスドレインと名乗った悪夢めいたニンジャにも屈せず、無事トコロザワ・ピラーへと帰還した。ソウカイヤ上層部でも、列車内部でデスドレインが引き起こした騒動は相当な大事になっており、それを収めたあなたたちは、本来の手はずではキョートでの調査結果を上層部に提出し、報酬を受け取ってミッション終了となるはずだったところを、急遽ラオモト・カンの前に呼び出され、『ラオモト・カンの評価タイム』を受けられることになる。

:「ムッハハハハハ!貴様らか、デスドレイン=サンなる胡乱なニンジャと遭遇したというのは。どれ、何があったのか話してみよ」

A:デスドレインを倒した【万札:220】【名声:5】
B:ザイバツ・ニンジャ2人の爆発四散を確認【万札:100】【名声:2】
C:生還した【万札:40】【名声:1】
※どの場合でも余暇は5日である。※万札は山分けとなる。山分けの対象にザイバツニンジャのドロップした万札や残虐ボーナスかを含めるかは要相談。

データ集

◆クレナイマント(種別:ニンジャ)
カラテ     4  体力    4
ニューロン   3  精神力   3
ワザマエ    2  脚力    2
ジツ      0  万札   10
スキル:『特殊近接ステップ』
装 備:『カタナ』
◆グンジョウマント(種別:ニンジャ)
カラテ     4  体力    4
ニューロン   2  精神力   2
ワザマエ    3  脚力    2
ジツ      0  万札   10
スキル:『トリガーハッピー』
装 備:『ノーカスタム・ピストル』

◇ノーカスタム・ピストル:遠隔武器、拳銃、ダメージ1。

※デスドレインのデータは公式プラグイン『覚醒したアーチ級ニンジャソウルの力』の項を参照。ただし、デスドレインは敵を拘束している間も自由に動けるものとする。

おまけ.ニンジャ名鑑

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【クレナイマント】◆卓◆
ザイバツのニュービーニンジャ。同じ日にニンジャとなった幼馴染のグンジョウマントとの連携攻撃を得意とする。まだまだ未熟であるものの、けして無能ではなく、ザイバツへの忠誠心も篤いが、所属するパーガトリー派閥のネンコを重んじる方針により冷や飯を食わされている。

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【グンジョウマント】◆卓◆
ザイバツのニュービーニンジャ。生真面目な性格であり、幼馴染のクレナイマントとの連携攻撃を中心とした戦法の研究に余念がない。適切なマスターの元に師事することができれば、クレナイマントと共に大成できた可能性も大いにあっただろう。

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【テイルウインド】◆卓◆
パーガトリー派閥のザイバツニンジャ。カゼのジツによる短距離ワープを得意とし、自らのアプレンティスたるニンジャを敵地へと転移させ、破壊工作や攪乱を行う戦法を好む。彼はこのジツで、自らは危険を冒さず部下の功績をことごとく己のものとし、マスター位階まで昇りつめた。

セッション用Googleスプレッドシート

利用規約

 NMはこの記事に含まれるデータを、セッション中に利用したり、自作のシナリオへ流用することができる。運行制御UNIXのハッキング難易度をU-HARDにする、クレナイマント、グンジョウマントの能力値を調整するなど、データに変更を加えることも可能。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。
 リプレイ公開への制限は特にないが、可能なら事前にTwitterで「@koyazawa_ninja」に連絡を行うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ

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