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名馬堂々。はリアルの競走馬像を映し出す。

前回紹介したウマ本優駿図鑑のクソッぷりはもう言うまでもない。超次元的なクソであり、これまでも紹介したとおりだ。優駿図鑑は優駿図鑑の訂正をやったようだが、オペラオーは白百合とかキングヘイローの高松宮記念は地味なタイトルといったところは訂正しなくてもいいのかとツッコミを入れたい。
さてそんな馬sageをすることでしか語ることの出来ない優駿図鑑2310円よりもお得で関係者の話盛りだくさんの本が名馬堂々。だ。値段も1300円と内容のわりには良心的な価格であることに好感が持てる。

名馬堂々


内容としては過去のNumberの作品からピックアップして取り上げたような感じだ。関係者へしっかりと取材を重ねており、文の正確性や、ライターの有無などが明らかにされている。しっかりとした競馬本とした感じだ。というよりも一般常識で言えば本に文責がない方がおかしいのだが。まぁいいとしよう。
馬の紹介も気合が入ってて情熱というのが伝わってくる。さすが老舗雑誌のブランドというものなのだろうか。わかりやすいうえに、関係者のエピソードも交えてよく出来ていると思っている。優駿図鑑であったようなどうでもいい話で埋めたり、馬をsageたりするような表現はない。馬の魅力をふんだんに伝える文章が盛りだくさんだ。特に印象に残ったのはホーリックスだ。ホーリックスの記事はわざわざニュージーランドまで取材して事細やかに当時の情報が描かれておりとても貴重な資料であると感じた。海外の人がどのようにしてオグリキャップやタマモクロスを下したのか…そのような姿が鮮明に映し出されており、ホーリックスという馬の強さを思い知らされるのだ。

ホーリックス


名馬堂々。・Numberの記事の特に素晴らしいところは、調教師や騎手などの関係者のエピソードを載せている所だと思う。どうしても自分で文を書くとなると自分の主観やエゴというものが入ってしまう。だが、Numberにはそれはない。関係者のありのままのリアル。ありのままの競走馬像というのが自然と浮かびあがってくるのだ。そしてシメの文章のかっこいい記者の「主観」が、記事という物を引き立たせて感動できる文章になっているのだ。
あと写真の一つ一つの使い方が上手い。美しい芝と馬の姿は見る者すべてを感動させる写真だ。僕のオススメはオルフェーヴルだ。金色の王には誰もが目を見張る圧倒的な風格を1度見ていただきたい。
他にもプリティキャスト、福永洋一みたいなニッチで渋いところも取り上げており、往年の競馬ファンも楽しめる内容となっているのだろう。1980年以前の馬は情報が本当に少ないのでこのような情報は貴重である。ぜひ見て欲しい。
他にもこの記事のここがよかったとかレビューしたいが、あえて書かないでおく。なぜなら純粋に読んで欲しいからだ。馬のリアルを知ってもらいたいからだ。Wikipediaに載ってない…ノンフィクションの馬の姿をしっかりと見て欲しいからだ。特にウマ娘から入った人には見て貰いたい。名馬の姿がここにはしっかりと存在する。ノンフィクション作品として素晴らしい出来になっている。
競馬の魅力に惹かれたあなた、この本を見てさらに引き込まれていくはずです。日本競馬の神髄をこの本で見て貰いたい。この本読んで後悔はしないはずだ。
老舗雑誌Numberが出した日本近大競馬の結晶のような本。僕としてはこの本を読まないのはディープインパクトを馬券から切ってしまうくらいもったいないことだと思った。


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