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拝啓、ゲームを頭ごなしに否定する無知な大人たちへ| ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 吉川徹 (著)| #塚本本棚

ICTネイティブな子供たちを頭ごなしに叱って可能性を摘んだり、親子関係を破綻させてしまうより、大人もICTリテラシーを身に着けて適切な距離感を共に身につけましょう。

今日は「ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち( https://amzn.to/3B3tLYX )」 吉川徹 (著) #塚本本棚


【紹介文】
■大人から子どもの世界に近づいてみる
■発達障害のある子どものゲーム、ネットとのつき合い方を知る
■機器ではなく、内容から子どもが何をしたいか考える
■ICTから遠ざかる支援よりも、利用してリテラシーを身につける
■「やめさせる」「取り上げる」はさらに反感を強める対応
■ネットやゲームの約束は子どもには守れない
■ゲームとお金の関係を理解する


【書評】
今のゲームはファミコンやアーケードゲームの時代とは全く異なる。マインクラフトなどでは想像力をいかんなく無限に発揮できるし、MMORPGはコミュニケーションの練習にもなる。シミュレーションゲームは未来予測能力の向上にもつながる。これらを知らず頭ごなしにゲームを否定しても、子供は良い子にもならなければ、頭もよくなるわけではない。


【本を読んで考えた・メモ】

・大人になってから子供のICTリテラシーや、ネットに対する特性を理解しても遅い。早いうちに子供のICTリテラシーを高めておく必要がある

・ゲームが子供の暴力性を誘発させるという意見もあるが、子供の犯罪や暴力に対する数値は、戦後のゲームの無い時代よりも一貫して減少している
https://www.newsweekjapan.jp/.../2022/11/post-100223.php

・睡眠や視力に関しての相関は、まだ確定的に言えることは少ない

・ゲームに対する依存症などへの研究も始まったばかり

・ゲームをやめさせれば学校に行くというわけでもない、ゲーム=悪と短絡的に考えない事が大事

・”ゲームする時間をコントロールできなかったらペナルティ”よりも、”時間をコントロールできたら報酬をあげる”とするほうがよい(不機嫌を引き起こさない、自分への自信を失わせない)

・「やることをやってからゲーム」はうまくいかない。確執を生んで逆効果が起こりがち

・子供との軋轢を作らないためには、親のICTリテラシーの向上も大事

・子供がSNSなどのICTでトラブルを起こさない為にも、まず親がICTリテラシーを持つ必要がある

・ネットやゲーム以外の楽しい世界についても、選ぶ機会を作ってあげる事が重要(レジャースキル)

・ネットやゲームの嗜癖と発達障害(特に自閉スペクトラム症と注意欠如多動症)との関連は強い。ネットやゲームの問題を通じて発達障害の可能性に気づくこともある

・嗜癖は孤立の病。ゲーム依存だから不登校になるというより、不登校になる理由は別にあり、その理由のせいでその代替としてネット依存がある

・機器を取り上げるのはたいてい無意味で、対立を深め暴力や家出などを誘発するなど、危険ですらある(豊川市一家5人殺傷事件)

・嗜癖は一種の自己治療であるという仮説もある中で、包帯のようなゲームを取り上げる事は、けが人からの恨みを買う危険があるという事

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