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日本の論点2020~21 #塚本本棚

不景気はみんなと同じく悲観している場合じゃなくて、不景気こそ次の好景気に向けた準備の期間だと思うんですよね。なのでこんな時こそ自己研鑽。

今日は「日本の論点2020~21( https://amzn.to/2Vh9bjU )」大前 研一 (著) #塚本本棚

僕自身TwitterやFacebookなどをやっていて思うのが、見られシェアされ拡散される文章というのは”わかりやすくそして断定的で衝撃的である”事がまず大事なのだと思います。

要は大衆が理解できる平易な言葉、且つ判断力がなくても理解できる断定的な言葉、且つサプライズ要素がある(ように見える)ことが大切。しかしそんなものは本質とは関係がないので、シェア拡散されたからと言ってそれが正しいとは限らないのが悩みどころ。

その行きつく先は衆愚政治(Post Truth)だと思います。

大前氏は本書にて指導者を馬鹿にするスタンスを取っていますが、それを選んだのは国民であり、つまり本書は「お前ら馬鹿なんじゃないか」とのメッセージをはらんでいます。

個々人が既得権益を確保しようとするばかりで、まったくもってロジカルでも本質的でもない日本やアメリカやイギリスの現政権への支持や国民による政治の監視の不在が、よっぽど気に食わないのでしょう。

【本を読んで考えた】
・大前さんはIQ200以上あるのに、公の顔に徹することができず地が出てしまう点がお茶目であり、メディアに好かれるのもそのせいなのだろう。良い意味で演じることが苦手なタイプなのだと思う

・民主制は数の論理。SNSによって国民に直接呼びかけやすくなったことで、本質よりわかりやすい事が求められるようになってきている。そしてそれが耳障りの良い表面的な政治運用につながることで、各国弱体化の未来が来るのかも

・地方創生には憲法第8章「地方自治」を変える必要がある。今の自治体には自治権はない

・本誌はプレジデント誌での連載を編纂した形をとっているので、同誌購読者にとっては重複する内容も多い

・2024年の新札発行と同時に旧札との交換期限を設け、市井に隠れるタンス預金や表に出てこれないお金をこの際チャラにしてしまう案は賛成

・また、日本人は今後フロー(所得)が先細るので次は資産に対して課税していく流れも歓迎。最も稼いで使う世代にふたをするフローへの課金は未来の可能性を摘む

・スウェーデンでは”その時代の借金はその時代の世代が責任を持て”と世代間闘争が勃発し、高齢者の医療や介護福祉が大幅にカットされ、税収も上がったとの事。日本でもいつか起こる可能性はある

・北方領土の返還が難航するのは、ロシアとしてはそこにアメリカ軍が駐留する可能性があるから。とはいえ、アメリカ軍を駐留させずロシアの軍政が残るとするなら、日本で簡易ベトナムの様相が形成される

・ヨーロッパの歴史あるオールドワイン達は仲介業者が大きな価格決定権を持っており、日本人は彼らが吊り上げた価格でOWのワインを飲まされている。仲介業者を介さないシステムの構築に商機がある(高いワインを有難がって飲むのはやめよう)

・これから世界と戦うためには教育は要の一つ。国民総同一同速度教育では勝てない。飛び級などの制度を拡充すべき。すでに海外では飛び級はおろか、一流教育機関を作ったうえで自国民優遇を実施している

・大前研一氏はTwitterを使っていないようだ、さすが。相手にしたい層が違うという事か。しかし、国政に出るならば相手にしなければならない層ではある

・自身がずいぶん前に指摘したことを市場が織り込まない事にご立腹のご様子。頭が良すぎるのも調和共感の観点ではつらいものなのかも

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