ボカロ黎明期から過渡期直撃世代である僕が、当時のボカロ業界と音楽を振り返りながらまとめてみた。


 実生活の中で古川本舗が好きな方に昨日(2024年2月22日)初めて出会いました。
 僕が幼稚園の頃から通っている散髪屋の二代目(息子)の奥さんです。
 二代目が結婚して地元に帰ってきて、両親と共に働き始めるという流れでこの奥さんに出会ったのですが、初めて顔を合わせたときに「ここまで僕に似ている人、初めて見た」と思ったくらい僕に似ているので、まぁ知ってるし好きだよなという感はありますが。
 僕より少々年上の女性で、女子高生だった頃には地元のライブハウスにインディーズバンドの追っかけとして入り浸ったりしていたようなタイプのお方。
 音楽的な嗜好やルーツみたいなものは絶妙に違うんですが、趣味や思想みたいなものは同じだったりするあたりが面白いです。
 昨日、散髪に行ったときに歌い手の話になったんですよ。
 現在、熱狂的に好きな歌い手が奥さんにいるらしく。
 そして、ボーカロイドのPの話になったときに古川本舗の話題になりました。
 古川本舗のアルバムにカヒミ·カリィや野宮真貴や空気公団のゆかりさんなど渋谷系の流れやそれに近い方が参加していたり、歌い手の方が参加していたりでそりゃ知ってるわなとも思いますが、それでお互いに古川本舗が好きなことがわかったんです。
 僕がボカロ曲を発掘して聞きまくってたのってそれこそニコニコ動画全盛期で鏡音リン·レン発売前後なんで、今となっては古参ではありますね。
 レンの存在が認められ評価されるきっかけになった「鳥の詩」(レン廃の整地)の投稿と爆発的な伸び方であったり、アンサーソング的に「ココロ·キセキ」が投稿されたときの湧き方だったり、なんかもう懐かしくてねぇ。
 ただまぁ、僕って作家(制作者)で曲を聞くタイプだったりするので、当時のブームで流行歌を色々と聞いてみたり、自分なりに色々と掘ってみた結果、好きな曲を作ってるPの活動をずっと追いかけるというかたちになり、ルカが発売されるころには好きなPの曲や活動だけ見聞きして追いかけてる状態になり、少なくとも僕の中では「ブーム」っていう部類のものではなくなってたというような感じでした。
 好きなPが参加したり、作ったりしたコンピレーションアルバムを購入したり、P同士や僕とPの交遊関係から新しい発見をしたりですとかはその後もありましたけれどね。
 歌い手ブームに関してはボカロブームと平行して起こってましたけれど、当時の話をボカロ界隈視点だけでいうとブームになった曲を歌い手が歌うっていう流れがどうしてもあったこともあれば、そもそも僕がブームになるほど爆発的に人気を得るタイプの曲にはあまり惹かれなかったこと、そして、そもそも歌い手や歌い手業界に僕が関心をほぼ持たなかったこともあり、僕がボカロブームをある程度卒業したころに歌い手のメジャーデビュー、メジャーシーンへの進出というものが話題になり始めたというイメージです。
 VALSHEさんがデビューするときの盛り上がりが1番印象に残ってますかね。
 歌い手っていう存在が一気にメジャーシーンに飛び出していってるけれど、これって良いことなのかなぁみたいなことを思った覚えがあります。
 歌うことが好きなのか、有名になりたいのか、売れたいのか、ビジネスとして利用されてるだけなんじゃないのか、ここから音楽好きにとってより良いものが生まれていくのか…みたいなもやもやと不安を感じました。
 やはり時代や文化が明らかに変化していった過渡期にはこういう感情や思いを抱いてしまいますね。
 結果的には歌い手やボカロPの本格的音楽活動や著名になっていく過程、商業モデルとしてのかたちというものは目新しいものでもなんでもなくなり、音楽をやってる方の活動形態や在り方として一般的になったので、音楽を発信する側も受けとる側も考えなければならないことは増えたように感じるけれど、間違いなく選択出来ることは増えたなと。
 僕がボカロを熱心に聞いていた時代のPでメジャーレーベルからフルアルバムをリリースした方もいましたが、それはそれとして同人活動を軸に活動していくかたちを選択したようでしたし、僕が当時から好きな方の大半はマイペースに活動を続けていくことの方を優先したように感じましたね。
 当時、ボカロPとして活動していた方々がどういう方たちだったのかという時代性や気質の話にもなってくるように思います。
 少なくとも当時はアーティストとして本格的に活動したいからボカロPになるみたいな考えは全く無いわけではないけれど…という時代だったと思うので。
 今まで音楽活動やりたくてもやれなかった方がやりやすくなったというところから、同人活動としてきちんとやっていけるというところまで地盤が出来上がって、そこからの「動画再生サイトで話題」「様々な楽曲をカヴァーして人気」みたいな触れ込みでメジャーシーンへ参入みたいな道が出来上がったという印象です。
 黎明期から過渡期にかけての方はおそらくもうきちんと実生活において本職があったり、趣味として続けていくのが自分にとって一番良いと考える方がメジャーだったのではないでしょうか。
 いわゆるプロの犯行(既に音楽業界で活動している方が自分のやりたいことをやるために趣味でボカロPしてる)も多かったですし。
 
·鏡音レン好きの聖地
 「鳥の詩」のカヴァー。
 レンはここから始まりました。

·古川本舗

 様々な歌手に今まで自分がボーカロイドで発表してきた曲を歌ってもらったファーストフルアルバムのリリースで知ったというかたちなんで、ずっと追いかけてたみたいなかんじではないのですが。
 知ってからはずっと追いかけてます。
 人間とボカロの優劣や上下みたいな話はナンセンスだと思ってますが、古川本舗の曲は人間が歌うのに非常に適した作りになっていると感じます。
 ボカロが歌っているものもリリースしていますが、古川本舗の作風や空気感でいうと人間が歌っているものの方が親和性高いし、染みると僕は感じますね。


·ナタP

 ボカロを聞きはじめて、はじめて曲を聞いてからずっと追いかけていてファーストアルバムから購入していますが、1番最初に聞いた曲ってなんだろう。
 「スターゲイザー」だったかなぁ。
 低音レンの魅力と美しくも儚い世界観の切なさですね。
 ボカロでここまでの少年性を産み出した上できちんと成立させてるの素晴らしい。

·クリスタルP

 最初に発表したレン曲の歌詞がレンにしては聞き取りやすい上に、クオリティーも高かったためレン曲を発表するたびに天使の鼻声というタグがついてたプロの犯行の方ですね。
 表(?)の仕事も聞かせてもらってます。
 僕の好きなゲームミュージック畑の方と一緒に楽曲製作やってたりして、やっぱりそういうものなんだなと思いました。
 僕ってとにかく透明感が作れる方、感じさせる曲が前提として好きなんだなと感じます。


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