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Afterコロナの海外採用・勤務について

はじめまして、ジャッキーです。

今までずっとIT業界で人事、特にエンジニア×海外×大量採用というニッチなところで10年強キャリアを積んできました。(*1)

(*1)参考記事:
海外エンジニア採用でトップランナーの楽天さんを取材してきました!
第5回 日本HRチャレンジ大賞 採用部門優秀賞
 世界の高度IT人材(エンジニア)の日本国内での採用に向けた先進的手法の確立に向けて

楽天、メルカリで10年強、いろいろな国で採用活動を行う中で強く感じたことが、

・日本は給与的にどんどん他の国に抜かれていっている

ということでした。
(例えば10年前は中国よりも給与面で優位性がありましたが、今中国にも抜かれ、インドにも抜かれ、台湾、タイ、ベトナム等にもこの数年でほぼ並んだ、または抜かれた印象があります。)

ただ、今コロナの影響で世界中で国をまたいだ就職が困難になり、またGAFAを中心に少なくとも年内は在宅勤務を推進していることもあり(*2)、今後IT業界を中心にエンジニアの働き方は大きく変わっていくんだろうなと常々実感しているところです。

(*2)参考記事:
Twitter Will Allow Employees To Work At Home Forever
Google employees are told to expect to work from home for the rest of the year, but a select few will be allowed to return to offices as soon as June
Facebook says it will reopen offices in July, but employees can continue to work from home for the rest of 2020
Amazon extends work from home regime till October 2

加速する在宅勤務

 恐らく在宅勤務を導入している会社ではすでに、エンジニアの一部が本社以外の国で働いている、ということも起きているかもしれません。
 After COVID 19の流れとして、勤務地(国内外)を問わず働けるようになる、という動きはますます加速すると期待しています。実際周囲ではメンバーの一部が日本以外にいるけれども、今までと変わらないパフォーマンスを出せている、という声も多く聞きます。

その流れで多くのエンジニアは、次の流れとして、
 ・今後自分が世界中好きな国で働けるとしたらどの国で働くのがいいのか
と頭を悩ましているかと思います。

 そこで、給与的にどの国がエンジニアにとって住みやすい国なのかを考えてみることにしました。ちなみに僕はシンガポールか香港に住みたいです。理由は特にないですが、好きだからです。

国別エンジニアの給与水準

ちょうど最近こんな記事がありました。(2020年5月15日:世界のIT技術者の給与ランキング)
1位がスイスで約993万円、2位がアメリカで約895万円、3位がイスラエルで約854万円(1ドル=107.37円換算)という結果です。

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これによると日本は18位とのことですが、感覚的にはそこまで低くないのかなと感じました。そこで、各国の一人あたりGDP(*3)と比較してみました。意味としては、その国の平均値よりもエンジニアが高い給与をもらっている国は、IT技術者にとって働きやすい国だろうという意図です。

(*3)International Monetary Fund (2019 estimates)を使用

■各国におけるエンジニア平均給与と一人あたりGDP比較

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 これを見ると面白いことに、世界的に見るとエンジニアとしては高給だけど、実はその国の中で相対的にみるとそこまでエンジニアの給与が高い訳ではない国がそこそこあります。(12位以下参照)
 これは産業的にその国のメイン産業ではないことや世界的なIT企業が少ないことなどが影響しているのかなと思いました。日本の会社は、採用時に海外の競合とバッティングした際に額面で負けて辞退されることも多いですが、いずれにせよ、単純な額面だけでその国を選ぶことは辞めた方がいいのかもしれません。

グローバル水準の給与で働くということ

  ただ最初のグラフを見て、日本のエンジニア給与の平均が42,464USドル(≒456万円)というところに違和感を感じた方もおられるかもしれません。実際平均値としてはそうかもしれませんが、日本でも一部の企業ではグローバル水準の給与を出す会社も徐々に増えてきました。新卒にも一千万というような記事を見た方も多くおられるかと思います。

  そこでやや楽観的ではありますが、世界中どの国にいたとしても、グローバル水準の給与(ここでいう1位のスイスと同じだけの額)をもらえると仮定して、その国の一人あたりGDPと比較してみました。

■各国で約1000万もらえるとしたときの各国一人あたりGDPとの比較

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 これでみると、日本はなんと世界2位です。
 これはかなり肌感に近いのかなと思っていて、日本の中でもグローバルを目指すIT企業では1000万プレーヤーも珍しく無いと思うのですが、これはその国の中での相対的な生活水準としてみると、かなりいい方なんじゃないかなと思っています。
 僕の好きな香港とシンガポールも9位と15位で、グローバル水準の給与で働く人にとっては、比較的住みやすい国なのではないでしょうか。

まとめ:日本実はいい国

 もちろん実際にはここから税金などがかかりますので、単純な比較はできないかもしれませんが、個人的には日本のエンジニアは世界の中でもけっこう働きやすい方なんじゃないかなと思っていたので、そこがおぼろげにでも見えたのはよかったのかなと思いました。
 今後After COVID 19として、世界中どこでも好きな国で働けるような環境が整い、かつ日本の多くの企業がグローバル水準の給与が出せるようになったとき、もっと多くの世界中の優秀なエンジニアが日本で働いてくれるようになるといいなと思います。

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