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映画「ディア・ハンター」と「ミッション」

観たいと思いつつ30年間も観損なってきた映画を、やっとDVDで観ました!

きっかけは、NHKの「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」という番組で、時代を象徴する映画として紹介されていたからです。

■ ディア・ハンター(1978アメリカ/マイケル・チミノ監督)
  ベトナム戦争で心身に深い傷を負った男たちの苦悩と、戦争の狂気を描いた作品です。
  
  この時代に特有の「社会への怒りと諦め」的な空気がよく伝わってきて、切なくなります。
  故八代亜紀の「舟唄」や、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」を彷彿とさせるような雰囲気だったので、調べてみたところ、「舟唄」の発売は1979年、「ホテル・カリフォルニア」の発売は1977年で、どちらもこの映画と同時代に流行った曲だったということがわかり、妙に納得しました。
  
■ ミッション(1987イギリス/ローランド・ジョフィ監督)
  1700年代の南米を舞台に、白人(ポルトガルやスペイン)の支配に反抗するインディオの姿を描いた作品です。
  有色人種(被支配者)側の視点で横暴な白人支配の歴史を描いたという点が、当時としてはとても新しかったんだと思います。

  作品自体は重いテーマを扱っているのですが、「古い世の中の見方をどんどん変えていこう!」として、基本的に世の中は進歩していっているとまだ考えることができた80年代の映画っていう感じがしました。

  そして実際、この「被支配者(有色人種)側から歴史をとらえ直す」という流れは、「ダンス・ウイズ・ウルブズ」(1990年)などの映画に引き継がれていき、人々の考え方を大きく変えていきました。

  80年代の後半は、フランシス・フクヤマ氏の「歴史の終焉」という本が出て、国際社会において民主主義と自由経済が最終的に勝利し、これからは社会の平和と自由と安定が無期限に維持され、世界はボーダレスになっていくなんてことが考えられていた時代でもありました

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