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書籍「箱の中」(木原音瀬著/講談社文庫)

傑作でした!

痴漢の冤罪で服役することになった30代の公務員が、刑務所で奇妙な男と出会う話です。
そして、出所した2人は、数奇な運命をたどることになります。

ところで、この小説は「BL小説」に分類されるのだそうです。
そもそも著者の木原音瀬(このはらなりせ)は、BL小説界では非常に有名な作家であるとのことですが、これまで全く存じ上げていませんでした。

でも、この小説は、一般に考えられている「BL小説」(読んだことないけど)とは異なり、
全くもって、美しくもないし、うっとりもしないし、イチャイチャもしません。
逆に、どちらかというと人間の醜さや独善をリアリスティックに描いているので、個人的には、「角田光代と松本清張をまぜたような小説」を読んでいるような感覚に陥ったくらいです。

なお、「ダ・ビンチ」誌上で「BL界の芥川賞」と評され、かなり話題になった作品であるとのこと。・・納得です。

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