デムーロの日本語のほうがルメールの日本語よりも上手に感じる理由

デムーロ VS ルメール

 先に言っておきます。デムーロの日本語もルメールの日本語も最高に上手です。2人は通訳ではなく騎手です。騎手という仕事をしながらこれだけ流暢に日本語を話せるのは凄いことです。日常会話で使う言葉だけでなく、競馬の専門用語も覚えなければなりません。きっと尋常ではない努力の末に日本語を習得したのだと思います。もし2人の日本語を「こんなに長く住んでるんだからもっとペラペラになれよ!」と批判する人がいるとしたら、「じゃあ、お前はイタリア語とかフランス語で生放送一発勝負のインタビューに答えられんのか?」とぶん殴ってやりたいです。

 しかし、2人の日本語力には少し差があるように感じます。多くの人が、デムーロの日本語のほうがルメールの日本語よりも上手だと思うでしょう。これはなぜでしょうか?

 デムーロのほうが語学の才能があるから。デムーロのほうがたくさん勉強したから。デムーロに日本語を教えた先生のほうが優秀だったから。どれも答えの1つかもしれません。しかし、僕は言語の才能や勉強量という個人的な問題ではないと思います。それよりも、母語と日本語の関係、つまり、デムーロのイタリア語に対する日本語と、ルメールのフランス語に対する日本語の関係が大きく影響していると考えます。キーワードは発音です。


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