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ブラジルに現れた16歳の天才ジョッキーを紹介します

ジョアン・モレイラを生み、シルヴェストリ・ヂ・ソウザを生みと、ブラジルが名騎手製造国であることは言うまでもありません。

モレイラやソウザが憧れたのも、ジョルジ・ヒカルド、ジョゼー・アパレシード、アルタイル・ドミンゴスというブラジル人騎手です。

ブラジルでは騎手になりたい人の数が多いです。家族に競馬関係者がいるから自然と騎手を目指す人もいれば、純粋に馬が好きで騎手になりたいという人もいるし、貧困から抜け出すために騎手を目指すというハングリーな人もいます。

なりたい人が多いということは、ダイヤの原石に出会う可能性も高いということです。数打ちゃ当たりますから。ブラジルの競馬学校には才能が集まります。

才能を持った連中が生き残りをかけて戦うので、騎手間の競争は熾烈です。勝てなければ騎手人生が終わるどころか、生活自体が終わる人もいます。争いが激しく、ハングリー精神むき出しだからこそ、ブラジルからは世界的な騎手が生まれるのかもしれません。

そんなヤベェ奴らが集うブラジル競馬に、今シーズンとんでもない騎手が現れました。それがヂラン・シルバ・マシャード(Dylan Silva Machado)です。

写真:Jockey Club Brasileiro / Sylvio Rondinelli
https://jcb.com.br/home/noticias/370143/o-fantastico-domingo-de-dylan-machado/

ヂラン・シルバ・マシャードは、ルアン・シルバ・マシャードとムリエル・シルバ・マシャードの弟になります。

ルアンもムリエルもブラジルでGⅠを勝ったトップジョッキーです。現在アメリカで騎乗しているルアンに関しては、今年ネクスト(Next)でアメリカGⅡを勝ちました。

さて、このヂラン・マシャードですが、年齢はなんと16歳です。デビュー直前のインタビュー映像があるのですが、めっちゃ若けぇ……。日本なら競馬学校に入学する歳です。

2022/23シーズンのリオ・デ・ジャネイロ開幕戦となる7月3日のガヴェア競馬場1Rで騎手デビューしました。ガロドジャグァレテー(Galo Do Jaguareté)に騎乗し、結果は4着でした。

初勝利は7月10日のガヴェア競馬場8R。イルヴァネス(Irverness)というゴリゴリの1番人気馬に騎乗し、2番手から鮮やかに抜け出しました。

ここからヂラン・マシャードの快進撃が幕を開けます。12月4日には1日5勝しました。現在までに66勝をあげ、ブラジル騎手リーディングで2位につけています。

7月にデビューしたばかりの16歳の見習い騎手が、ブラジルの猛者たちを、モレイラ級のヤベェ奴らと競って2位になってるんです。逸材です。怪物です。化け物です。イメージとしては、競馬学校の1年生がクリストフ・ルメールと川田将雅の間にいる感じ。

日本競馬のみなさん、今すぐヂラン・マシャードに日本語の家庭教師をつけましょう。4年くらい勉強させて、日本の騎手試験を受けさせましょう。4年後でもまだ20歳。20年は日本競馬で無双できます。

というのは冗談ですが、注目すべき若手騎手なのは間違いありません。ヂラン・シルバ・マシャード、この名前を頭の片隅にでも入れておいてください。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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