円安の裏には国債1,000兆円

YouTubeにて、中田あっちゃんが久しぶりに動画を出されていました。

毎回わかりやすい内容ですが、今回の内容もとてもわかりやすい。
テーマはとてもタイムリーな「円安」です。

この「円安」について、少しは理解しているつもりでしたが、あらためてこの動画を見て理解が深まりました。

なんで円安になるの?

そもそもなんで円安になるのか、ということについては、一言でいうと「日米の金利差」という認識です。
日本とアメリカの金利の差が開いていて、ドルが強く円が弱い、という状態ですね。

いわゆるコロナ禍を過ぎて、アメリカでは一気にインフレが進みました。
その過熱を冷ますべく、何度も利上げを行ってきました。
ということで、アメリカはインフレ状態で利上げを行っている状態。

一方、日本では。
「失われた30年」とか聞くくらい、ずっと不景気でした。
政府としては、「2%のインフレ」を掲げてなんとか好景気に持っていくべく、さまざまな手を打ってきたんですよね。
その一つが「ゼロ金利政策」でした。
でも、なかなかインフレになることはなく。

それが、ここ最近ようやく物価高が進んで、緩やかにインフレが進んできました。
「じゃあ日本も利上げすればいいんじゃない?」
と思われるところ、利上げすることができない。

というのも、日本におけるインフレは「コストプッシュ型」のインフレだから。
好景気でインフレしているわけではなく、原材料の高騰によるインフレということですね。
なので、金利を上げたくても上げられない状況、ということです。

僕の中でのざっくりとした理解は、このような感じでした。

国債の存在

実は、他にも金利を上げられない理由があったのです。
あっちゃんの動画を見て、そのことを学びました。

それは「国債」の存在です。

どうやら日本には1,000兆円もの国債があるそうです。
これは、GDP比で世界1位の金額だとか。

政府が発行した国債を、民間銀行が買って、それを国の中央銀行である日銀が買っているという構造にあるのだそうです。(「国債買入オペ」)

もし、金利を上げたらどうなるかというと、ふたつの危険がはらんでいるそうです。
「逆ざや」と「含み損」です。

逆ざや

金利が上がると、日銀が民間銀行に対して払う利子が上がります。
しかも、それはとんでもなく大きな金額になるのだそうです。
そうすると、国債から得られる利子よりも払う利子が大きくなって、日銀が損をするようになるとのこと。
なかなかイメージが湧きませんが…笑

これを「逆ざや」と呼ぶのだそうです。
この逆ざやが起きると、日銀の経営状態が悪化するんですね。

含み損

国債の価値は、金利と逆相関関係にあるのだそうです。
つまり、金利が上がると国債の価値が下がるということ。

どういうことかというと…

あっちゃんの動画では「クーポン券」で例えられていました。
「コーヒー10杯クーポン」というのが、現在の国債だとします。
金利を上げると…
新規で発行される「コーヒー12杯クーポン」の方がお得で、しかも安く買える。

なので、今持っている国債の価値は下がってしまう、ということになるのだそうです。
うーん、なかなか難しいですね。笑

「含み損」という言葉から連想されるように、
「以前の国債を売ったら損する」
という状態になるということ。

こちらも逆ざやと同様に、財務状況の悪化につながるということです。

このように、「ゼロ金利」の副作用が今になって出てきて、それによって金利を上げたくても上げられない状況に陥っているということなんですね。

日本はこれからどうなるの?

もちろん、未来の予測はできません。

しかし、過去の歴史を見てみると、ピンチに陥った国はその後大きく成長するパターンもあるとか。

例えば、中国の例でいうと…

現金を銀行に安全に預けるということが、難しかったそうです。
そのような状況だったからこそ、電子マネーが急速に普及したそうです。

また、
「ガソリン車では世界で勝てない。だったら、電気自動車の分野で一発勝ってやろう。」
ということで、電気自動車に力を入れて、テスラに次ぎ中国のBYDがシェアを伸ばしたとか。

なので日本においても、いったん現状のピンチを認める。
その上で、じゃあ何ができるか、ということを考えて国全体でそれを支援する、という流れができれば、可能性はあるのではないかと思います。

すでに政府からはこのようなメッセージが発せられています。
「リスキリングしてください」
「優秀な人は成長産業へ転職してください」

なかなか暗いニュースばかりですが、希望も持っていたいものですね。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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