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ひとまず

急がない

田中さんと深夜2時まで語り合った翌朝、これからの移動経路を考えていた。四国を左回りに一周しようというぼんやりとした計画を実行するにはどうしたらいいか。

名古屋で用事があり、戻らなければならない日は決まっていたので、そこから逆算していくと弾丸ツアーで行けば周れない事もない。しかし、それではゆっくり見て回る事ができないと思ったため、四国一周は諦めて予定変更。

徳島県をほとんど横断する形で大塚国際美術館に行き、そこから神戸に渡り、神戸で一泊してから名古屋に向かうというルートに決めた。

田中さんに大塚国際美術館に行くのに行きやすい最寄り駅まで送っていただき、お礼とお別れの言葉を交わした。

別れ際に「こっちのほう来る時は連絡頂戴。絶対だよ」と念を押され(かわいい)、フルーツをいくつかこちらに差し出してきたが、重いからと言って全ては頂かずに少しだけ頂いた。どれもサイズでかいから!

駅についてさぁ、電車に乗ろうという時二段階で困惑した。まず青春18きっぷが使えないと言われた。仕方ないからと思い周りを見るが、ICカードを通す機械がない。JRだし使えるだろうと思って駅員さんに訊くと「使えないです。切符買ってください」と言われた。

これまで旅してきた中で電車に乗るのにICカードが使えなかったのは初めてだった。仕方ないので切符を大人しく買って電車を待った。正式には電線のある電車ではなくディーゼル車に乗り込んだ。

ドキドキバス

大塚国際美術館を閉館時間まで十分に堪能し、神戸行きの高速バスの最終を待っていた。ここでも少しだけ内心焦ったのだが、高速バスといえば普通ネットで予約してから乗るものだと思うのだが、この時予約はしていなかった。

恐る恐るバスが来るのを待つ。
バスが到着すると運転手さんが予約している人を一人一人確認していく。自分以外にあと一人になった時に、自分の前にいる人が予約上のトラブルか何かでしばらく運転手さんとやり取りをしていた。

早く予約していなくても大丈夫かどうか訊きたいので少しもどかしい気持ちになりつつもじっと待っていると、前の人のやり取りが終わった。
よし、自分の番だ。と思ったところで運転手さんがバスに乗り込んでしまった。

え?もしかしてこのまま行っちゃうの!?と驚き、とりあえず自分もバスに乗り込む。予約していなくても乗れるかを尋ねると乗れるという事だったので、それなら声かけてくれよと思いつつ運賃を払った。

神戸へ向かうバスの中、もともと行く予定がなかったから下調べも何もしていなかったのでインスタで神戸のオススメを募集した。
教えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

神戸へ着くとまず宿探しから始まった。しばらく当日に泊まる場所を決めていたが、神戸へ着いたのはもう日も暮れた頃。夜から宿を探すのは初めてだったので、見つからない可能性もあると思ったが、難なく見つけることができた。

インスタで教えてもらったお店が近くにあったので、荷物を置いて空腹を満たすべく足早にお店へ向かった。コロナの影響なのかは分からないが店がやっていなかったため一度宿まで戻る事に。

宿のスタッフさんにまだ開いているオススメの店を教えてもらい、そのお店へ行った。店に入るとゲストハウスの紹介ですか?と訊かれた。
それに答えて、ここでもおすすめのメニューを訊いて注文をする。

すぐに女性のお客さんがお店に入ってきて、店員さんがまた同じことを訊くと同じゲストハウスからのお客さんだった。
「僕も同じゲストハウスです」と声をかけた。

話をしているとなんとその女性も同郷、名古屋から来ていた!とはいえ、名古屋も広いので名古屋のどこかと訊くと地元のすぐ近くで更に驚き。
食事を終えてゲストハウスまで一緒に帰り、良い旅をと言って別れた。

神戸観光

次の日、とんぼ玉ミュージアムに行き、お昼前くらいに洋食屋朝日へ。
どちらもインスタで教えてもらったオススメスポットで大変感謝しております。どちらもとてもよかったです。

洋食屋朝日に関しては、開店30分前くらいには行っておいた方が良いと思います。開店時間ちょっと前くらいに着いたけど結構並んでいました。
クリームコロッケかビフテキの定食かで悩みに悩んでビフテキを頂きました。

そんなに牛肉の塊を食べるのが好きじゃない僕が美味しいと思えば、胸を張ってオススメできるものだろうと思ったからだ。
結果、めちゃくちゃに美味かったです。神戸行く時はまた寄ります。
次はクリームコロッケを食べたい!

昼食後は古本屋巡りを。調べてみると神戸も意外と古本屋さんが多かったので、オススメしていただいた古本屋へ向かうまでの道中にある古本屋に寄れるだけ寄った。

自分の悪い癖なのだが、旅をしているのに本をどんどん買ってしまうので、やたらと荷物が重くなっていってしまう。だからと言って、買わずに去ったら絶対後悔するので、買うのをやめるつもりはないのだが。

オススメされた古本屋さんは大当たりでした。
教えて頂き本当にありがとうございました。

青春18きっぷで鈍行を使って帰るので、名古屋に着いた頃に帰宅ラッシュに巻き込まれるといやだなと思い、本で膨れ上がった荷物と共に電車に乗った。

途中で乗り換えがあり、名古屋行きの電車で席を探していると、なんと同じゲストハウスに泊まった昨夜の女性が!!
隣の席を譲っていただき、お陰様でやたらと重たい荷物を置いて腰を掛ける事ができた。

名古屋までの間、お互いの神戸2日目の事やこれまでの旅の話をした。
僕の旅の話をしていると「そんなことあります?」みたいなことの連続で、やっぱり珍しい旅をしていたのだなと実感。

楽しく話をできたのであっという間に名古屋に到着し、またどこかで会えたらとそれぞれの帰路についた。
楽しい時間と驚きの邂逅に重たい荷物による疲れも忘れて実家に向かった。

つづく

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