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あの頃の私



久しぶりに開いたノート
穢れない心から生み出した言葉で溢れ
眩しくて目を逸らした
もう戻れない世界線
キスの味も知らない 遥か遠い世界


あれから何年経っただろう
煙草の味がしたキスに
少し背徳感を味わってみたりして
背伸びをした 遥か遠い世界


割れたスマホの画面が光る
見たくない名前が浮かぶ
こんな日常に生きているなんて
あの頃の私はがっかりしてるでしょ

どこまでも擦れた私って
今日も苦虫を噛み潰したように
しかめ面と泣き面の繰り返し
嘘笑いだけは上手くなったと
知ったら私はどうするの?


今と昔 どっちがいいって
答えなんて出ないのは知ってても
ぐるんぐるん巡る脳内よ
夜にそびえ立つタワーに立ちくらみ
あの頃はなかった灯りの塊
日常に溶け込むのに時間は必要ない
変わったのは私だけじゃなかった

見る景色はずいぶんと変わってしまった
それでも進む世界線 交わらないところで
生きているのが 私と 誰か

消えないで ねえ あの頃の私
泣かないで ねえ あの頃の私
窓から見える景色は 違って見える?
世界は幻想で出来てるよ
早く気づいてよ

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