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災害時にコンビニに来る人達

学生時代、ずっとコンビニでバイトしていた。今でも思い出すのが、台風で浸水した時のこと。結構な災害で、バイト先は壊滅してしまった。

明くる日、バイトの有志でメチャクチャになった店内を掃除していると、次から次へと客がやってくる。モップを掛け、水浸しになった商品を片付けている制服も着てない僕らに、当たり前のように「おにぎり無いの?」と聞いてくる。

ねえよ。見りゃ分かんだろ。

そんな言葉を飲み込んで「全部ダメになってますから。売るものはないです」と答えると、礼も言わず、無言で何処かへと行った。

このテの人達は、何があろうとコンビニだけは何事もなく商品を売ってると思ってるのではないだろうか。まるで「風が吹くとき」の夫婦のようだ。きっと世界が滅んでも財布を持ってコンビニへ行くのだろう。

店長であれ、先生であれ、どんな職業についてる人にも生活があるのだけど、ともすれば忘れてしまう。自分も言われる側にならなければ、同じような行動をしていたかも…と思うと、今は他山の石としていられるだけ、人として多少はマシな徳を積んでいるのかもしれない。

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