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ネット怪談によく出てくるアレが気になるのでちょっと調べてみた

ネット怪談が好きです。匿名掲示板に投稿された話をyoutubeで朗読するユーザーが結構いてて、仕事中によく聴いてるんですが、色々聴いてるとなんとなく傾向が掴めてきて面白いです。その時には死んでいるはずなのに語り部と会って遊んでいた友人、実家がある村で起こった出来事、定番の肝試しから山や海で出会ってしまう妖怪や厄神、延々と続いてきた親類縁者の因縁とか、そういう感じの。

話のオチとしてよく出会うのが『発狂エンド』。語り部が巻き込まれた怪異で関係者が発狂して物語が終わる…という手のアレ。話によっては怪異を知る切っ掛けとして関係者がすでに発狂して失踪…なんてのもあります。
そこでなんとなく聞き流してしまいがちな、発狂とはどんな状態を指すのか気になるので調べてみました。

急性一過性精神病性障害がそれっぽい

大辞林に拠ると『精神に異常をきたすこと』とありますが、他に調べてみると強烈なストレスにより起こりうる『急性一過性精神病性障害』という症状がありました。語り部による原因や状況を見るに、どうも怪談に出てくる発狂はこれに当てはまりそうです。

DSM-5で定義される「短期精神病性障害」は、妄想や幻覚、まとまりのない発言、緊張病など異常な精神運動行動が急激に発症する障害です。激しく感情が揺れ動いたり、混乱したりするのが典型的です。急性期症状の際には、自殺行為の危険が高いとも考えられています。しかし、症状が表れる期間は短いのが特徴です。
ハートクリニック『こころの病気のはなし 』より引用

自殺の危険性もあるみたいですが、大抵は『再発率は高いものの、殆どの人は予後が良好』らしいです。これで発狂エンドが来ても一安心ですね。

純粋に字面が怖い

まぁ純粋に『発狂』って字面が怖いんですよね。オカルトと結びつけやすいのか、すごいヤバい事態になった結果として、なんとなく怖そうな状態の『発狂』という二文字で収束させていくのは面白い現象だなと思います。

先の例として挙げた短期精神病性障害ですが、『死別、配偶者や職を不意に失うこと、結婚、戦争、テロおよび拷問による心理的外傷など典型的なストレス』で発症するとのことなので、オカルト的発狂は怪異に限ったことではなく、どこの誰にも存在する隣人みたいな症状なんでしょうね。まさに幽霊の正体見たり枯れ尾花といったトコロでしょうか(渾身のうま味ギャグ)

余談

他に気になることといえば、語り部にヤレヤレ系が多い気がします。肝試し系の導入の『ダチが合コンに参加するってんで、俺は別に行く気もなかったんだが、どうしても参加してくれって懇願されたので仕方がなく行くことになった』みたいな妙に粘っこく心情を描写するアレです。「なにって…女の子と飲み会しただけだが?」みたいな、「ここめっちゃ早口で捲し立ててそう」みたいな感じで捉えてしまって、語り部の向こう側の輪郭が見えちゃう感じで趣があるなと思います。
ちなみに女の子の容姿には「割と可愛い系」といった評価が付くことが間々あるのも良いですね。そういった素人くさい部分も含めてネット怪談の魅力とも言えるかもしれません。

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