キラボシ再び
クリスマスが終わってしまいました。ここから大晦日までの五日間の手持ち無沙汰な感じにむしろ親しみを覚えてしまうのは、齢四十三の私が生きてきたなかのほとんどの期間が「失われた三十年」と呼ばれる経済低迷期にあたるからではなかろうか。そろそろ大晦日がきて除夜の鐘を撞いてお正月を迎えたいものです。
昨日まであんなにクリスマスクリスマスしていた街並みが何事もなかったかのようにすましていて、「クリスマスとか、そういうイベントごとにかこつけて何かにつけて盛り上がろうとする人たちってかっこ悪い」とでも思っているようですらある。
あわてんぼうのサンタクロースがクリスマス前にやってくることもあるのだから、名残を惜しむサンタクロースがいつまでもクリスマスムードを引きずって年越しを迎えてもよさそうなものなんですが、12月25日が終わった途端ラジオからはハッピークリスマスもワンダフルクリスマスタイムも恋人たちのクリスマスも聞こえなくなる。
クリスマスソングにばかり頼っていた選曲に困ることになり、「冬 曲」で検索してみるものの、やたらクリスマスソングばかり見つかってヤフーの野郎、空気が読めねえなーと舌打ちをしたりする。
フライドチキンも心なしか、はりがなくなってブヨんとしている気がする。どうせ僕は昨日までに揚げられなかった二軍チキンなんだっていう不貞腐れたようないじけたような態度が見えるから好感がもてる。そうやって二軍でくすぶってたけど大成したスターを俺は何人も知ってるで!と応援したくなるけど、そもそもフライドチキンよりも唐揚げのほうが好きなので、今日も葛野大路八条に先週火曜日にオープンした唐揚げ弁当をテイクアウトできる「キラボシ」というお店へ行く。
このお店は私が1人目の客になったお店なんですが、さきほどヤンニョム唐揚げ弁当を注文したらレジのスタッフさんに「今日は108人めくらいのお客さんです」と言うてもらいました。実に清々しい12月26日です。
蠱惑暇
こわくいとま
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