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1人目の客になれた話 烏丸綾小路編

令和4年9月12日

 涌井慎です。趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。オープンする店全店で1人目の客になれたらいいのですが、それを成し遂げるには私はあまりにも忙しすぎます。この「忙しすぎる」は、別に忙しいのをアピールしているわけではなく、どちらかというと、そんなに忙しくはないのですが、オープンする店全店の1人目の客になるほどは暇ではないということです。可能であれば、オープンしたお店の1人目の客になることで生計を立てたいのですが、こんな私を支援してくださる方、どなたかいらっしゃいませんでしょうか。ハーバード大学は目指してませんが九九はできます。

 全ての新店の1人目の客にはなれませんが、せめて職場の近場にオープンするお店は1人目の客になっておきたいではありませんか。四条烏丸を南へ下り、1本目の綾小路通りをほんの少し南下したところに立ち呑み処がオープンすると聞いたからには、1人目を狙わないわけにはいきません。私、現在、水曜日以外は飲酒を控えてソバーキュリアスしてるんですが、そんな決まり事、簡単にぶち破ってやります。どちらかといえば何かしら理由をつけて呑みたいタイプですので、渡りに船といったところ。

 新店オープンを祝う花輪にヒマワリとススキが並んでおり、季節の変わり目を感じながら並んでおりますと、さすがは京都のメインストリート烏丸通り、次から次へと人が行き交い、花輪の並ぶ新店舗を遠くから眺めて「立ち飲み屋だって〜」「鉄火巻き!美味しそう🎵」などという声が聞こえます。書き忘れておりますが、私が到着した30分前にはまだ誰も並んでおらず、既に暫定1人目の客の名誉を獲得しております。不思議なのが、「鉄火巻き!美味しそう🎵」とおっしゃった女性でして、お店の前には、お品書きが書いてあるばかりで「鉄火巻き」の写真があるわけではないのに字面だけで「鉄火巻き!美味しそう🎵」となっているんですよね。鉄火巻きならなんでもいいというのは、逆にお店に失礼なのではないか、逆に。

季節の変わり目やね


 入口の前で待機していると、扉がガラス張りなので店内の様子が見えます。4人か5人ほどスタッフがおられます。もちろん向こうからも私のことが見えているはずですが、いまのところ、お店の方からはなんのアクションも無いオープン17分前です。存在に確実に気づき合っているのにお互いに知らないふりをしている時間が私は嫌いではありません。むしろ、このなんともいえないそわそわを体感したいがために1人目の客になることを趣味にしているといえます。いま、一瞬目が合いましたがすぐに逸らされました。瞳そらさないで青い夏と秋の変わり目のときめきの中で。

 最近、ちょっと秋っぽくなってきましたが、今日は久しぶりに真夏を思わせる日陰の恋しい炎天です。まだ陽の沈まない夕方のうちから、一杯やるのは、なかなか気持ちのいいものではないか、何を飲もうか、何を食おうか、あれもこれもと思うけれども予算という縛りもあるから無茶はできない。一杯だけといいながら気づけば五杯六杯となるのがダメな酔っ払い。どうしてあんなに飲んだのか、後で悔やんでしまわぬように、今日はスマートに帰りたいと思っているオープン7分前。ああ、中のスタッフさんたち、少なからず私のことを話してるんだろうね。不審者と思われてなければよいのだけれど。早く他人の関係を抜け出したい。こんなふわふわした中途半端な関係はやめにしましょう!

 9月12日・月曜日、烏丸綾小路下ルにオープンした「立ち呑み処灯」の1人目の客は私です。

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スマートに飲んで帰ります

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