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ご不快構文

 「ご不快構文」というのがある。今日の日経新聞夕刊「令和なコトバ」という連載で知った。企業や政治家などが不祥事を起こしたときやりがちな。「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」という決まり文句を使った謝罪文のことをいうらしい。

 この「ご不快構文」にありがちなのが、なぜ相手を不快にさせたかという原因をスルーしていること。本来、謝罪文には「何をやったかを認める」ことが大事なはずなんですが、これの説明責任が抜け落ちていることが多いのが「ご不快構文」の特徴です。謝罪は相手がどう思ったかではなく、自分が何をしたかに軸足を置くべきだとは、公認心理士で臨床心理士の信田さよ子さんの言葉。まったくその通り!

 責任を取りたくない偉い人がこの「ご不快構文」を使いがちですが、逆に上司と部下の関係で部下が上司に対してこれを使う場合も実は多いんじゃないかと思う。めんどくさい上司がまた何かと難癖をつけて私を叱責してるけど、私は何が悪いのか正直よくわからないし、よくわからないことで怒っていてあの人本当に鬱陶しいから別に私が悪いわけではないけど、そんなに謝ってほしいんだったら謝ってあげるよ、ひいはい、こんなしょうもないことにこだわるなんて本当に小さい小さい人間なんですね、っていう本心を隠したつもりで謝罪しても、その本心は案外だだ漏れであり、上司の立場の人間をあまりなめすぎるなよ、と思ったりする。

 あなたの思っているほど上司はわからずやではなく、むしろ、よく人間観察をしているということも多々あるので気をつけましょう。無論、まったく、なんにもわかっていないアホもいますが。

 「令和なコトバ」には英語でご不快構文に近い言葉として「non-apology apology」が紹介されていました。謝罪でない謝罪、謝罪風の謝罪といった意味。「もし私の言葉があなたを傷つけたなら謝ります」のような相手に責を負わせるタイプの謝罪は「if」と「apology」の組み合わせで「イフポロジー」といったりもするらしい。これもよくある全く謝るつもりがないやつです。これで謝ったつもりになってるくらいに世の中をなめてる連中に今に世の中が鉄槌をくだしてほしいと思うんですが、そういう人って要領がいいから、結果、こんな風にうじうじちまちま書き連ねてるこっちが天罰受けたりするんです。ぴえん。

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