一人目の客になれなかった話
趣味はオープンしたお店の
一人目の客になることです。
ありがたいことに職場にも
私の趣味に理解を示してくださる方がおり、
さきほどはそんな方々に
「ファイト!」と見送られながら、
外出しました。
11時30分オープンのお店で、
場所は西院あたりなのですが、
四条烏丸の職場を出たのが11時前。
少しゆっくりしすぎたかしら。
今日までに下見は済ませていますが、
駐輪場は無さそうでした。
壬生と西院の間にある自宅に
自転車を停めてから、
歩いて行こうと思っていましたが、
時間がかかりすぎると判断し、
阪急で西院に向かうことにしました。
ホームへ降り立つと、
案内板に赤く「特急」大阪梅田と
書かれてあります。
大阪に行くのならよいのですが、
西院を飛ばす特急なんぞ、
いまはただの役立たずです。
私は自販機で飲み物を買いたいのに
万札しか無いときのことを思い出しました。
特急から遅れて5分ほど。
到着した準急に乗り、
電車の中でこれを打ち込んでいます。
ただいま11時8分、大宮。
西院に着く頃には10分を越えています。
お店は正確には御前四条にあるので、
到着はどれだけ急いでも
11時15分を越えるだろう。
あとは誰も並んでいないことを願うのみ。
西院着。
もちろん、この日のために、
ランニング用シューズを
履いているはずはない。
しかし履き慣れたスニーカーです。
乗り慣れないマウンテンバイクより、
馴染みあるママチャリは、
時に速く走るらしい。
西院駅を降りた私は、
ソフトバンクの周東になったつもりで
ホームを駆け抜け、階段を駆け上がり、
地上に出ました。
御前四条の交差点まであと少し!
風がほどよく冷たい。
日が射しています。
店は御前四条北東角。
私がちょうど対角線上の西南角に
たどり着くと、
ちょうど北西角へ
向かう信号が青になりました。
北西角に到着して、
一息ついた私は、
もう急がなくてよいことに気付きました。
お店の端に一人、女性が並んでいました。
12月21日11時30分
御前四条にオープンした
胡椒餅 福丸の一人目の客には
なれませんでした。
一人目のお姉さんに店員さんが言いました。
「お待たせして申し訳ありません」
一人目のお姉さんが言いました。
「いいえ、私が早く来過ぎただけですから」
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