見出し画像

読書の記録 小松左京『青い宇宙の冒険』

 K市の新興住宅地"こうじが丘"の新築に住む中学生のまもるくん。最近、夜の11時頃になると地下から「グゥーーーン」と不思議な音が聞こえるから気味が悪い。学校で小野寺先生に相談してみると、実は"こうじが丘"では60年に一度、似たような現象が起こっていることがわかりました。約60年に一度ではなく、全くズレのないジャスト「60年に一度」。これはおかしい。小野田先生と同僚の三枝先生、まもるくんと同級生のとも子の4人はある夜、調査に乗り出すのですが・・・

 新興住宅地の謎がタイトルの「青い宇宙の冒険」とどう繋がっていくのか、わくわくしながら読んだ僕の気分は、はしゃぎすぎてる夏の子供でした。戦争国葬ウイルス狂騒、目を背けたくなる現実には、ジョンレノンみたいに目を背けてしまいましょう。ジョンレノン、現実見てない人、ええやん。かっこええやん!

 しかし、現実離れしているとはいえ、現実離れしている物語だからこそ、現実の抱える問題に鋭く切り込んだりするのもSFの面白いところ。途中、リルアっていうロボットが出てくるんですが、リルアは様々な知識を蓄積しているいっぽうで、知識と知識を組み合わせて新しい発想を創りあげることはできません。これなんかは、現代社会のAIとの向き合い方を示唆しているようで面白いです。

 こういうワクワクドキドキするお話を子供たちにも読んでもらいたいものですが、ゲームしてYouTube見て、あいつらの一日は終わるんだなー。それも悪くはないんやけど。

#令和4年読書の記録  #読書の記録 #読書
#小松左京  #青い宇宙の冒険 #sf #sf小説

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?