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左手に宿る魂みたいなもの

保育園のお迎えに行きました。入口で手指の消毒はしてありました。(あの「手指」ってなんと読むのが正解なんでしょうか。)
消毒してあるし、いいやろうと思い、築山の上にいたワクイに(次男は自分のことをワクイといいます)手を差しのべたところ、珍しく、実に珍しく僕の手を握ってくれました。

ワクイの手はものすごく冷たかった。離れないように離れないように用心しながら、その冷たさを感じていました。しかししばらくすると手を振り払い、ワクイは自転車置き場へと走ってゆきました。

離れていくワクイの後ろ姿。
あれだけ冷たかった手の余韻はなぜかあったかい。じーんとしていて、どうしてじーんとしているのかといえば、それはたぶん、左手に宿った魂みたいなものがワクイを追いかけていったのだと思いました。透明な左手がワクイを追いかけていくのが見えました。

もちろんそれは錯覚で、自転車置き場でワクイに追いついてからも、自転車のハンドルをもつ左手だけが、じーんとしていました。

できることなら、左手はじーんとしたままにしておきたかったので、右手だけで運転したかったのですが、子を後ろに乗せて片手運転するほどの運動神経も反射神経も僕にはもうありませんでした。もう、そういうところで勝負できる体ではなくなりました。両手でハンドルを握り慎重に慎重に運転をして帰りました。


家に着いたらワクイが絵を描いてくれといいました。そっちのほうの神経は、まだまだ生きているつもりですから、やれることはやろうと思いました。せめてやれることはやっておかないと、やれる神経も腐ってしまいます。しかし、できあがりをこうして見てみると、ひょっとしたら、こっちの神経もすでにどうにかなっているのかもしれないと思いました。うまいこと付き合っていくしかないと思いました。

左手の魂みたいなものはしっかり帰ってきているみたいです。

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