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井上ひさしと狼少年と周の幽王と責任は私にあるというあの人と

何月何日何新聞のコラムか
忘れましたが、
作家の井上ひさしのエピソードが
掲載されていました。

井上ひさしは、
締め切りを守らないことで
有名だったそうです。
最初は「半日、1日」の遅れが
だんだん延びていき、
それにつれて言い訳もエスカレート。
半日、1日の遅れの頃は、
「風邪をひきました」程度でしたが、
ついには切羽詰まって、
「田舎の母が亡くなりました」と
ウソをついたところ、
信じた相手が井上さんを
車で駅に送り、
香典まで渡したそうです。
ウソがバレてからは
1年ほど口をきいてもらえまず。
再び、一緒に
仕事をすることになったある日、
井上さんの自宅が火事になり、
電話で急を告げると、
「いい加減にしなさい。
そんなもの信用できるか」と
怒鳴られたそうです。
 
このお話を聞いて、
イソップ童話の「オオカミ少年」を
思い出しました。
羊飼いの少年が、退屈しのぎに
「狼が来た!」と嘘をついて
騒ぎを起こしました。
だまされた大人たちは武器を持って
出てきますが、徒労に終わります。
面白がった少年が
繰り返し同じ嘘をついたので、
本当に狼が現れた時には
大人たちは信用せず。
誰も助けに来なかったばかりか、
村の羊は全て
狼に食べられてしまいました。
 
似たような話は中国にもあります。
周の幽王は、
全く笑わない褒姒という女性を
寵愛していました。
あるとき手違いで
敵襲を知らせる狼煙が
上がってしまい、
諸侯が慌てて
出陣しようとしましたが、
手違いなので敵襲は現れません。
ところが、その空振りを食わされた
諸侯の様子を見て、
笑わない女褒姒が笑ったんですね。

褒姒が笑った・・!!
それはクララが立ったときと
同じくらいの
感動の場面だったといいます。

あじを占めた幽王は
度々嘘の狼煙を上げました。
その後、実際に敵襲があった際、
誰も狼煙を信じず、
幽王は褒姒ともども
亡き者にされてしまいました。
 
人は嘘をつき続けると、
たまに本当のことを言っても
信じてもらえなくなります。
2つのお話は、
常日頃から正直に生活することで、
必要な時に他人から
信頼と助けを得ることが出来るという
教訓を示したものだと
一般には解釈されています。
 
何かあるたびに
「責任は私にある」と
繰り返す方にも、
是非一度、
読んでいただきたいお話です。

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