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1人目の客になれた話 西院駅徒歩0分編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。17時オープンの店の1人目の客になるべく、40分前に自宅を出ようとした途端に大雨。どういうことやねん。しかし、この大雨ゆえ、客足は間違いなく遠のくであろう。私にとっては恵みの雨といえる。

 しかし、お店のオープンに順延はない。大雨に視界を遮られながら、阪急西院駅の東出口へ向かう。目的地は駅から徒歩0分のところにある。0分というのは駅の構内でないとあり得ないのではないかと思うが、「ノンアルコールビール」みたいなものだろう。端数は切り捨てスタイル。この大雨による死者は約〜という時の「約」が嫌いです。人の命をなんやと思っとるんや。成人になってからは、ひたすら切り捨てられる側で人生を送ってきました。四捨五入のやり方が私は気に入らない。

 無事1人目の客として店の前にスタンバイしていると「店、開いてないんすか」と後ろから声をかけられましたので振り返ると、やや強面のお兄さん。根は優しそうですが、これは後日、そのお兄さんがこの文章を読むかもしれないから、それ用に書いてみただけです。いや、本当に気のいいお兄さんやったんですが、「17時オープンみたいですよ」と私が返すと「中は誰かいはりますか?」と聞くので「どうやらおられるみたいです」と答えると、つかつかと中へ入っていってしまわれ、どうやらお店の方と懇意にされているみたいなんですが、おいおい、このままオープンまで店内に居座るんやないやろな、とそわそわしたんですが、ものの5分もしないうちにお兄さんは外に出てきて大雨に消えていきました。

 目の前がやや白い。こんな大雨の中、立ち呑み屋の開店を待つ私が禁酒7日目であるとは誰も思うまい。もうすぐ禁禁酒します。今日は美味い酒が呑めそうです。

 令和5年6月26日、西院駅徒歩0分のところにオープンした立呑み処 T-standの1人目の客は私です。

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