読書の記録 『早稲田文学増刊号 家族』
家族って何でしょう。うちの家族っておかしいよね、って思っている人はドラマで描かれる家族の姿を標準と考えるかもしれない。うちの家族ってなんの変哲もないつまらない家族だね、って思っている人はドラマで描かれる家族の姿をドラマチックで羨ましいと思うかもしれない。一つとして同じ家族なんてものはなく、あらゆる家族が標準であり、異常であり得る。うちが標準で他はおかしいと主張する人もいれば、頑なに我が家を卑下する人もいる。家族の当たり前は家族の数だけ存在する。いや、家族を構成する人の数だけ家族の当たり前は有るんだと思う。異常性をひた隠しにする人もいるし、やっぱりうちの家族っておかしいよね〜、と半ば自慢のような口調で話す人もいる。とにかく家族の話題だけは避けなければならない人だっている。家族って何でしょう。答えは見つからないですが、自分の考えている家族だけが正しいことも間違ってることもなく、ただ、我が家も家族でおたくも家族で、天皇家も家族で、という、実に当たり前のことに思考が行き着く本です。当たり前のことを当たり前だから考えずにいると他人を慮ることを忘れてしまいそうになる。本が、読書が、あってよかった。
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