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大人の事情

 政治のことはよくわかりません。わからないくせに口を出すと怒られたりします。ネット上で気軽に物申したりするのは大変危険なことです。どこの誰に急に怒鳴られるかしれません。しかし、どういう世界においても、素人だからこそ見えるものというのもあるようです。プロにしか見えない「大人の事情」が素人には見えませんから、より曇りのない目で政治を監視できる、ということもあるのではないでしょうか。だって、そうでなければ、「少子化のいちばん大きな理由は、出産するときの女性の年齢が高齢化しているからです」なんて政治のプロが堂々と言えるものでしょうかしら。

 素人意見ですが、(大学の講義などでは「素人意見ですが」と前置きしつつ専門的意見をぶちかます意地悪がいるみたいですが、これは本当に正真正銘の素人意見ですが)いま、自民党の「1強」時代が長らく続いておりますが、これは何故なのか、と考えまするに、結局のところ、そのほうが得する人が多いということに尽きるでしょう。私の旧友にも、パンダを日本に連れてきたのは二階さんだからどれだけ二階さんが悪いことをしても二階さんのことだけはずっと応援してあげたいというパンダ好きがいます。

 安倍さんのモリカケ問題、桜を見る会の問題などなどについて「人としてどうかと思う」と憤りながらもそれでも選挙になれば自民党に投票し、「それとこれとは話が別」などと「甘いものは別腹よ」と同じニュアンスで宣う方もおられます。プーチンの愛人は、どれだけ人道的に間違っているとわかっていようが愛人として好き放題できるポジションを与えられていたら、プーチンの悪行を非難することはできないでしょう。

 左とか右とか保守とか革新とか、憲法改正賛成とか反対とか、反日とか嫌韓とか、いろんなイデオロギーがあると思いますが、そんなイデオロギー云々ではなく、もっとシンプルに「どの党がいちばんオレに潤いを与えてくれるのか」がいちばん大事なのであり、ある程度そこを実現してくれさえすれば、道徳に外れるようなこともたいていのことなら許せてしまうのが、不本意ながら人というものであり、そういうところにイデオロギーで戦いを挑むのは無謀であり、勝算もない。野党の皆さんは、もっと「オレたちについてくればこんなにおいしいことがありますよ」という、現実的かつ、おいしい事例を挙げることが大切であり、それを示したうえで、自民党のあれやこれやの不祥事を責めなければ、これは如何ともしがたいのではないかと思うわけでございますが、こんな素人が考えつくことができないのには、やはり、どうにもならない「大人の事情」があるのでしょうね。うーん、やはり政治のことはよくわかりません。

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