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水は濁っている

 今日は朝から大谷さんの通訳の水原さんの話題で持ちきりでしたね。先日、水原弘の黄昏のビギンがいい曲だなんて話をしていたところ、まさか、あの水原さんの黄昏がビギンするとは。

 職場で水原さん(弘じゃなくて通訳のほうね)の話をしていたら、野球のことをあまり知らない後輩が「こないだドジャーズって言ったら"ドジャースな"と言われました」と話していて、これまた、私にとって非常にタイムリーな話題なのでした。

 東野圭吾の『卒業』を読んでいたら登場人物の一人が「ドジャーズ」のジャンパーを着ていたのです。「ドジャース」ではなく「ドジャーズ」です。これは球団名をそのまま使ってはいけないから、故意に「ズ」にしているのか、はたまた『卒業』が刊行された頃、「ドジャース」は「ドジャーズ」だったのか。それとも、村上春樹が頑なにマイルス・デイビスを「マイルズ」と呼ぶのと同じで、東野圭吾は「ドジャーズ」と呼ぶことにしているのか。

 いずれにせよ、ひと昔前の本を読むときは、表記に関しても今と同じ感覚で判断してはいけません。数年前までキーウがキエフだったことを私たちは知っています。『卒業』で東野圭吾が「ドジャーズ」と書いていたとしても、「間違えとるやないか」と即否定するようではダメなのです。

 だからといって、『卒業』が刊行された当時、ドジャースはドジャーズだったのか、というのを調べる義務も私にはありません。所詮、ちょっと気になるだけのことであり、今日、後輩が「ドジャーズ」の話をしなければ忘れていた程度の話です。その辺のことをもう少し、調べ抜くくらいの執念、執着があれば私もビッグになれるような気がするのですが、まあ、分相応ということなのかもしれません。

 職場から帰宅したらテレビでドジャース対パドレスの試合を放映しています。朝から晩までドジャースばかり。

 余談ですが、京都市左京区貴船(きぶね)にある貴船神社の「貴船」は「きぶね」にあるのに「きふね」と読みます。貴船神社は水の神様として知られる神社です。水が濁ったらあかんやろ、ということで「きふね」になったといいます。それを知ったときは、「へえ」って思ったものですが、よくよく考えてみたら、「神社」が濁っとるやないか、っていう話で。もっと根本的なことを言ってしまうと「水」も濁ってるんですよね。残念ながら、「水原」も濁っていたわけなんですが、これが素晴らしいことに「大谷翔平」は濁ってないんですよね。どこまで澄み渡っとるねん。まあ、私も濁ってませんけど。

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