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読書の記録 東野圭吾『マスカレード・イブ』

 令和4年に読み始めて令和5年に読み終えた東野圭吾『マスカレード・イブ』。ホテルのフロントで働く山岸尚美と新人刑事の新田浩介が怪事件の謎を解く『マスカレード・ホテル』の前日譚。『ヤング島耕作』みたいなもんです。
 おそらく『マスカレード・ホテル』が大人気作となったことを受けて創作されたものなんだと思いますが、読ませる力は見事の一言に尽きます。『マスカレード・ホテル』を読んですぐに読んだらもっと両作の細かい関連がわかってニヤニヤしながら読めたかもしれません。

 『マスカレード・ホテル』では「できるフロント」として描かれている山岸尚美の未熟だった頃がなんともいえずかわいらしい。

 それにしても、『マスカレード・ホテル』で初めて会ったはずの山岸尚美と新田浩介が、そんな縁でニアミスをしていたなんて!と驚くんですが、実際、人生ってそういうことの連続であり、その偶然の積み重ねがかけがえのない出会いを産み、何かをこじらせ、縁が切られ、紡がれていくのだ。なんやかんやで、そういう、大袈裟にいえば世の中の「仕組み」みたいなものをこの作家さんは、よくわかってらっしゃるんだろうな、といつもながら感心します。おもろいで!

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