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エッセイ『遅刻について』

 社会学者の古市さんが遅刻をしたのに謝罪をしなかったことが話題になっています。確認はしていませんが、このニュースを報じたSNSのコメント欄には「どうでもいい」と書かれているのではないかと思います。
 古市さんくらい著名な方で「替え」がきかない場合は多少の遅刻くらい構わないのかもしれませんが、(知らんけど)多くの場合、遅刻はよくない行為であると見做されそうです。現に古市さんの遅刻した現場ではずいぶん古市さんが非難されていたようです。
 昔から大物有名人の遅刻癖はよく報じられています。松井秀喜さんとか、松本人志さんとか、若い頃は「よく遅刻する人」というイメージがありましたが、「天才」と呼ばれる人たちにはどこか欠落したところがあり、遅刻くらいのことならその天才的素質で十分カバーできるんだろうな、なんて思っていました。
 よくないのが決して天才とはいえない方々が平気で遅刻をしたうえに「遅刻をするということは俺は天才なのだ」という思考に陥ることであり、そんなアホがおるんかえ?と疑問に思う方も多いと思いますが、意外や意外、こういうタイプは多いのです。そこまで思ってなくとも「普段私は頑張っているんだから少しくらいの遅刻は別にいいよね」っていう人はたくさんいて、軒並み自分の仕事の評価を大暴落させています。
 僕が絶対に嫌なのがまさにこれでして、仕事の評価は仕事に対してしてほしいんです。遅刻をするしないなんて、本来は仕事ができるかできないかとは関係がないはずなのに、「あいつは遅刻をするからダメだ」という烙印を押されてしまうのは理不尽です。
 そんな理不尽な目には絶対に遭いたくないから僕は仕事では遅刻をしてはいけないと思います。あいつは本当に素晴らしい才能を持ってるけど時間を守らないのが気に入らない、といって偉い人にプッシュされずに鳴かず飛ばずで終わるアーティスト、絶対いると思うんです。もったないですよね。

蠱惑暇(こわくいとま)

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