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エッセイ『ミスターダブルスタンダード』

 エッキス(旧ツイッター)のことを話すとき、僕はいまでも「ツイッター」と言います。「こないだツイッターで見たんだけど」っていうほうが「こないだエッキスで見たんだけど」っていうよりもわかりやすいから。それなのに他人が「ツイッター」って言ってると「エッキスね」と訂正したくなるという、これぞダブルスタンダード!なんですが実は人間ってそんなもんなんじゃないかと思うんです。ある程度ダブルスタンダードは仕方ないんじゃないかと思うんですけど、それも結局人によりけりであり、僕が好きな人であればダブルスタンダードでも許せるのに嫌いな人のことはとにかく揚げ足を取りたがる、というところがありまして、我ながら業の深い生き物だと思うのです。

 いまエッキス(旧ツイッター)で、『自衛隊がスコップでカレーを作ってしまい炎上』という記事を見てため息が出ています。あほらしくて記事の中身は読んでいないのですが、たぶん、自衛隊のカレーってものすごい量を作るわけでして、その大量のカレーをどうにかするためには通常のスプーンなどではどうにもならないがゆえにスコップを使ったところ、「料理にスコップを使うなんて信じられない!」ということで炎上しているんだと思うんですが(違ってたらごめんなさい)、別に清潔さを保ってさえいれば、スプーンの代わりにスコップを使おうがバケツを使おうが構わないわけで「カレーにスコップは使うべきではない」という自分のなかの常識だけで他所の習慣を否定するのはいかがなものか。少々、狭い世界を生き過ぎなのではないか。多様性社会とは、こういう人たちの狭い見識まで許容する社会のことを言うのではないと思うんですよね。

 でもきっと、僕は僕の好きな人が「カレーにスコップ」を否定していたらそれを否定はしない。好きな人なら好き、嫌いな人なら嫌いなのだ。だからこそ、なるべく人のことは嫌いにならないほうがいいと思う。

蠱惑暇(こわくいとま)

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