1人目の客になれた話 大丸京都店レストランフロア編

　趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。京都にお住まいの瀟洒な人たち御用達の大丸京都店、たまに中を徘徊すると自分の文化レベルが上がった気分になりますよね。
　以前、高島屋京都店の竹久夢二展の1人目の客になろうとしたときはエスカレーターを上がっていき、エレベーターの人たちに負けたので、その教訓を生かし、本日はエレベーターを使うつもり。今日の目当ては8階です。今日リニューアルオープンするレストランフロアには、いろんなお店が入ります。

　開館3分前、気づけば入口扉前には人が群がっている。
「本日は大丸にお越しいただき、誠にありがとうございます。本日、午前10時より8階レストランフロアがオープンいたします」
「はいっ！！」
　女性スタッフがアナウンスするとおばあちゃんが威勢よく返事をする。

　いざ開館、エレベーターへ早歩きする。
　無事、エレベーターに1人目に乗り、「開」のボタンを押す係になる。大量に人が入ってきて私は奥へ押しやられる。まずい。8階に降りる際にハンデを背負ってしまった。乗客は全員8階に行くつもりらしい。

　8階。
　予想通り出足で遅れる。八人目くらいにエレベーターを抜け出し駆ける。ごぼう抜きでレストランフロアには無事1人目に入る。ラーメン屋へ向かうもフロアがリニューアルされまくっておりどこに何があるかわからない。少しの迷いが命取り。ラーメン屋は既に最前列に人の影がありました。引き返し、誰もいない店を探すと、蕎麦屋の前には誰もいない。早歩きのまま暖簾をくぐると笑顔の素敵なおじさまが「いらっしゃいませ。おおぉ、1人目！」とTシャツを見ておっしゃるので「あ、はい」と照れながら返事をする。おじさま、ありがとう、そしておめでとう。

9月29日（金）午前10時にオープンした大丸京都店8階レストランフロアの「そば料理よしむら京都大丸別邸」の1人目の客は私です。

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