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チーちゃんの後ろ姿

近所のチーちゃんは小学4年生。
現住所に居を構えてから、かれこれ5年の付き合い。

先日、うちの子とチーちゃんと、近所を散歩していた時のこと。

持参していた一眼レフカメラで、いつものように写真を撮っていたら(いつものことなので子どもたちは特に気にしない)、チーちゃんが言った。

「ねえ、カメラ目線じゃない写真を撮って!」

「お、おう」と一瞬たじろいた。
そして、「カメラ目線かどうかは、チーちゃん次第だよ」と一応突っ込みつつ、その言葉が嬉しくなくもなかった。
後で見返した写真はどれも、夕暮れ時&ノーファインダーであったため、ほとんどブレていたけれど。

その時感じたちょっとした違和感は、もう少し先の、田園風景の中を歩いている時に確信に変わった。

「ねえ、きれいな夕陽とあたしたちを撮って!」

そう言ってチーちゃんは、うちの子たちの手を握ってカメラに背を向けた。

うちの子たちは夕陽を背に、いつも通りカメラ目線でポーズをとろうとしたが、「違うよ!」というチーちゃんの注意を受け、何とか撮れた一枚。

・・・どこかで見たことがある!

それは、顔は見せたくないけれど、「何だか自然にいい感じ」は見せたい、というSNSでしばしば見かける光景だった。Z世代・・・。

少しだけ複雑な気持ちになった、3月のある晴れた日の夕暮れ。
春はもうすぐそこ。

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