TOEICで測れる英語力 と 卒業のタイミング
TOEIC満点がとれたのは、社会人11年目の2012年。累計勉強時間でいうと、だいたい7000時間ぐらいの頃でした。
大きな目標だったので、めちゃくちゃ嬉しかったです!それと同時に、「満点といっても、思っていたより全然聞けないし、話せない」ことがショックでした。
山登りの途中、深い木々に覆われた小道を抜けて、見晴らしのよい丘に到着して、一気に視界が開ける。眼下に広がる景色を見て、「ずいぶん高いところまできたなー!」と感動したのも束の間、道の先を見上げてみると山頂が全く見えない・・・。そんな感覚です。
ちなみにこれは、今でも同じです。きっと英語との闘いは、一生続くのでしょう。
TOEICで測れる英語力 ~スカウター理論~
よく言われますが、TOEIC満点といっても、実際の英語力は人によって全く違います。
TOEICにはSpeaking, Writingの試験もありますが、一般的に語られるのはReadingとListeningのスコアです。となるとアウトプット能力は評価の対象外なので、「TOEIC満点なのに全然話せない!」ということも、普通に起こり得るわけです(※)。
そしてReading、Listeningにしても、ぎりぎり満点の人と、寝てても全問正解できるレベルの猛者がいます。TOEICは990でカンストしてしまうので、当たり前ですが、それを超える英語力は図れません。
僕はこれを "スカウター理論" と呼んでいます。まさか知らない人はいないと思いますが念のため説明すると、スカウターとは、ドラゴンボールに登場する片目だけのサングラスのような機械で、相手の戦闘力を計測できるという夢のようなデバイス です(どこかのベンチャーにそろそろ開発してほしい)。
そして旧型のスカウターでは、戦闘力22000までしか測ることができません。ラディッツ(戦闘力1500)と亀仙人(139)の強さの違いはわかっても、ネイル(42000)、フリーザ(第1形態で53万)、超サイヤ人悟空(1億5000万)の差は判別できない。途中で爆発して壊れてしまいます。TOEICもこれと同じです(何の話だ)。
ギリ満点とネイティブレベルの達人の間には、それこそエベレストのように高い壁がありますが、TOEICではいずれも990と評価されます。
ちなみに僕は、スカウターをぎりぎり壊せたところでTOEICを卒業してしまったので、また受けたとして990が取れるかはわかりません。970-980なら確実にいける気がしますが、満点となると、文法・語法問題の相性次第でしょう。
そこを積み上げていく勉強は、当時の自分や、現在の自分にとって優先すべきものではない、という判断です。
TOEIC 卒業のタイミング
TOEICを卒業すべき時機やスコアについては、どう考えるべきしょうか。付き合い方は人それぞれなので、ベンチマークとして毎年受けたり、毎回満点を狙い続ける、というのもひとつです。
ただ、TOEICも試験である以上、やはり出題傾向やトピックスには、偏りや癖があります。たとえば、留学に必要なアカデミックな分野や、ビジネス英語をバリバリ鍛えるのには必ずしも適当ではありません(点数化されていてわかりやすいので仕方ないですが、個人的には日本企業のTOEIC礼賛は行き過ぎだと思います)。
したがって、730でも900でも満点でもいいのですが、自分にとっての必要スコアを達成したら深追いせずに次に移る、というのが一般的でしょう。
あくまでも個人的な感覚ですが、欧米への大学留学や日系企業の駐在員を目指すのであれば800点、英語上級者としての切符がほしいのであれば900点、がひとつの目安になります。
そして900点台の後半が取れたら、TOEFL100・英検1級・IELTS7.0 などの難関試験に挑戦し、MBA留学や海外転職に打ってでる準備が整ったと判断できそうです。
もちろん、いずれもインプット能力のみの視点なので、上のスコアがあれば大丈夫ということでは全くありません。学習の力点をシフトするタイミング、という意味です。
同時に、900点ないので留学や海外転職に挑戦できない、といった考えも違う気がします。TOEICは英語力のごくごく一部を、限定的に測定するモノサシに過ぎません。旧型スカウターの計測結果ごときに、夢をつかむチャンスを左右されるなんて、それこそ本末転倒でしょう。
最後に
TOEICは、英語学習における素晴らしい道しるべになります。でも、それはあなたの "目的地" ではないはず。うまく付き合いながら、自分が本当にやりたいことを実現するために大いに活用しましょう。
スカウターをぶっ壊せ!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?