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40歳で海外転職した話 ①

今日は、僕が新卒から17年務めた保険会社を辞めて、40歳で海外転職を決断した経緯を書きたいと思います。

きっかけは1本のメール

イギリス駐在から帰国して数か月。

5年間もロンドンで暮らし、働いていたことが夢だったんじゃないかというぐらい、あっけないほどスムーズに日本の生活に慣れてきた頃。突然1本の英文メールが届きました。

それはイギリス人の転職エージェントから。「日本の保険業界、特に外資系を中心にヘッドハンティングをしている。ぜひ紹介したい海外案件があるので、一度話をしないか」というものでした。

とは言っても、噂に聞く一本釣りのヘッドハントでは全くなく、転職サイトのビズリーチ経由でアプローチを受けただけです。このような言い方をすれば、こちらのテンションが上がることがわかっているのでしょう。

※転機を与えてくれたお礼を込めて、ビズリーチのサイトを貼っておきます。アフィリエイトではないので(noteではできない?)、安心してクリックしてください笑。

僕は、自分でいうのも何ですが結構会社をエンジョイしてた方で、人間関係にも全く不満はなく、転職活動をしていたわけでもありませんでした。

駐在中に友人たちと飲みながら、"あなたの適正年収診断” みたいなのをゲーム感覚でやったことがあり、その過程で会員登録していたのです。

もしこれが日本人エージェントからのアプローチだったら、会っていなかったでしょう。帰国して数か月たってイギリス英語が恋しかったこと、「海外案件」なるものがどんな内容か少し興味があったこと、普段行くことがないオシャレなカフェを指定されたことから、応じることにしました。

転職活動をしたことがないので、英文CVどころか和文履歴書も持っていません。「単なる情報交換レベルでもいいのなら」という前提で、昼休みにコーヒーをご馳走になることにしたのでした。

ただ、ひとつ言えることは、当時の僕は入社前からの目標だった海外駐在を終えて、次に目指すものを少し見失っていました。今から思えば、キャリアの折り返し地点にふと立ち止まって悩む、「ミッドライフクライシス(中年の危機)」に見事にはまっていたのです。

降ってわいたような海外案件

そのエージェントは、紳士の国からきたヘッドハンターというイメージからはかけ離れた、やや胡散臭そうな雰囲気をかもし出したフレンドリーなおじさんでした(今でも仲良くしているのでかなり失礼w)。

それでも、自分の会社から転職した元同僚の名前が何人も出てきたので、日本の損保業界に詳しいというのは、まんざら嘘ではなさそうです。

そして彼が持ち出したのが、某アメリカ系損保が日本ビジネス立ち上げのためにシンガポールで日本人第一号を採用しようとしている、という話でした。

日本と海外、しかも保険の本場であるロンドンマーケットを知っている人材は貴重だから、ぜひ検討してみてほしいとおだてられ、その後は「とりあえず話だけでも聞いてみないか?」という、お決まりのフレーズです。

その損保は名前は知っている大手(古巣の日系損保と同じぐらいの規模)でしたが、日本に拠点を持っていないこともあって、これまで全く縁がなかった会社でした。知人もゼロ。シンガポールに至っては行ったことすらありません。

家族は久しぶりの日本にようやく慣れたところで、折しも小6の長男の帰国子女受験に向けた勉強が本格化してきた時期でした。今年は旅行も諦めて家族で長男をサポートしよう、などと話していたぐらいです。

自分にしても会社生活に特に不満はないのだから、さすがにこれはいくらなんでも突拍子がなさすぎる、と思いました。「興味深いけどちょっと厳しいかなー」と言って、その日は美味しいコーヒーを奢ってもらって別れました。

ただ、こういう未知なるものを見せられると妙に気になってしまう性分。いつかまた海外で挑戦したいと思っていたところに、急に思いがけない機会を提示されて、あり得ないとは思いつつも少し心がざわつきました。

こうして、人生で最も悩み苦しむことになる半年が幕を開けたのでした。

To be continued...

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