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暖かくなってくると「ボクらの太陽」について、語りたくなってくる

 毎年気温が高くなってくると、とあるレトロゲームのことを思い出す。
 それは、ゲームボーイアドバンス(GBA)のソフトとして、2003年の7月に発売された、太陽アクションRPGゲーム「ボクらの太陽」だ。
 当時珍しかった、太陽光を使った画期的なシステムを導入したゲームだ(もちろん今でもそのようなゲームは珍しい、というかほぼ存在しないと思う)。
 太陽の光を、主人公の武器(太陽銃)のエネルギーとして使用したり、ダンジョンのギミックに作用したり、主人公の武器を作るときにも使ったりする。

 ゲームのシステムも魅力的だが、私が思うに一番心にぐっとくるのはそのストーリーだ。
 人々の生活に、アンデッドが介入した世紀末世界。
 主人公の太陽少年ジャンゴは、父の形見である太陽銃を片手に、敵のアンデッドやイモータル達、そして宇宙を支配する銀河意思(ダーク)に立ち向かっていく。
 その旅路で、太陽の使者「おてんこさま」や、大地の巫女「リタ」、そして自身の双子(ここは諸説あり)の兄「サバタ」に出会う。
 最初は父の敵討ちから始まる物語だが、その物語はやがて世界を救う話となっていく。

 当時子供だった私は、そのゲーム性とストーリー、そして個性豊かなキャラクター達に魅了され、圧倒された。
 オタクの道へまっしぐらになったのも、この時期だった。
 主人公のジャンゴは、口数は少ないがお人好しで、優しい性格だ。
トレードマークの深紅のマフラーを身に纏ってアンデッド達に立ち向かっていく姿に、私は心動かされた。
ヒロインの大地の巫女、リタとの甘酸っぱいくて時にバイオレンス(?)な恋にもキュンとした。
 ジャンゴは今でも私が好きなキャラクターの中で、殿堂入りしている。

 その兄である暗黒少年のサバタは、幼い頃にイモータルに攫われ、ジャンゴのカウンターとして育てられた。
一見冷たい印象だが、実は心優しい少年で、魔女として疎まれていた嘆きの魔女「カーミラ」を心から愛しているキャラでもある。
 三作目である新・ボクらの太陽のラスト(マルチエンディング)では、プレイヤーの選択によって、サバタが彼女と永遠の別れを迎えるか、彼女と共に永遠の眠りにつくかに分かれる(これがとてもつらい)。

 今でもこの作品は、私の胸に深く刻み込まれるように残っている。オタク的な発言で例えるなら「ボクタイの沼に、両足を固定されている状態」とでも言うべきか。
 このゲームはGBAでは三作品、DSでは一作品発売された。

 私は圧倒的にGBAの三部作が好き。太陽少年ジャンゴの熱い戦い、新しい仲間との出会いと、ラストに待ち受ける悲しい別れ。それらに心を動かされないことはなかった。

 今でも、豪華版サウンドトラックが発売されないかな、とか、リメイク版がSwitchで出ないかな、とか、ジャンゴ達の父の母の出会いと、キングオブイモータルとの戦いをゲームで味わってみたいな、とか……
淡い期待かもしれないが、抱いている。

 この作品のことを、私は生涯忘れないであろう。

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