本の重みは愛の重み

 本がたくさんある空間に、足を踏み入れる。
ここは人類の叡智の、ほんの一部がぎゅっと詰まった場所で、ありとあらゆる本が私を取り囲む場所。すう、と息をゆっくりと味わうように吸う。

 本の虫の私は、子供の頃は図書館通いがマイブームだった。その場で気になった本があるとつい手に取ってしまって、つい上限まで借りてしまうくらいだ。

 今は書店に立ち寄るのが趣味だ。特に、大型書店には心が躍ってしまう。
好きな作家さんの新しい作品や、表紙が美しい本、思わず顔がほころんでしまう動物のエッセイや、夜空を彩る星々の写真集、今話題の漫画まで所狭しと並んでいる。

 今特に好きなのは、郊外の大型書店の、画集コーナーで過ごすことだ。私が特に好きな鳥獣戯画や、アルフォンス・ミュシャについての本や、美しい西洋美術の本、力強い日本画の本が並んでいる空間が、とにかく好きだ。

 出来ることなら、好きな画集を好きなだけ抱えてレジに向かいたい。けれど、それは流石に出来ないので、気になったものを手に取り、パラパラと吟味しながらめくり、心がときめいたら、お会計を済ませて自宅へ帰る。

紙の本は重いのだが、それもまた魅力だと思う。

本の重みは、一種の愛の重みだ。

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