EBMが生んだ最悪レベルの勘違い
こんにちは。理学療法士のこうやうです。
今回は
EBMについて話していきたいとおもいます。
セラピストだけでなく
医療職であれば誰もが知っているであろう言葉である
EBM(Evidenced Based Medicine)。
これは医療の基本ともいっていいものです。
しかしこの
”エビデンス”
が多くのセラピストを勘違いさせてしまっているものだと思います。
果たして何をはき違えているのか。
私なりの考えを書いていきたいと思いますので
よろしくお願いします。
それでは始めます。
最悪の勘違い
それでは結論から始めましょう。
EBMの概念がもたらした勘違いとは・・・・
それは
根拠や理論を軸にした理学療法を展開することです!
・・・・
・・・・
・・・・
え?何がおかしいのでしょうか?
という反応がとても多くなるのが
今のセラピスト業界の状況だと思います。
とてつもなく聞こえはいいのですが
これは
臨床推論をするにあたって重要な過程を抜いています。
それは
仮説と検証の作業です。
エビデンスレベルは高ければいいわけではない
ここからは私の偏見を詰め込んでいるので注意してください。
まず最初にエビデンスレベルは高ければいいものではありません。
なぜかといえば
エビデンスは仮説を立てるためのヒントに過ぎないからです。
膝関節痛の人を例にあげましょう。
膝痛の研究で有名なのは
”膝伸展運動を行うことで膝痛が軽減する”
というものがあると思います。
実はこの詳細のメカニズムはわかっていないとのことです。
私も学生の時にみたことがあるぐらいには
有名だと思うのでぜひ調べてみてください。
さてこの論文をみてどうするか。
そのまま膝伸展運動を処方しますか?
これはエビデンスレベルも高いから
膝伸展運動は膝痛の人にとって万能エクササイズだ!
と判断したとすれば
かなり甘いです。
一番重要なのは
患者さんに処方した後に良好な結果がでているのを確認することです。
私の数少ない経験上から判断しても
膝伸展運動をして歩行の効率が悪くなる方は少なくないはずです。
特に立脚後期で地面がつま先から離れるのが速く感じます。
というように
運動をすると良好な結果だけでなく
悪くなることを覚えておいてください。
介入後は必ず
良くなるか、悪くなるかです。
その変化を認識できないのもあると思いますが
多くの人は
そのように意識してないから見えていない
のが現実だと思います。
少なからず私は動作分析ができるほど目が肥えてはいないので
この記事を見ているみなさんのほうが
断然わかると思うので
ぜひ意識してみてください。
患者さんの効果ありきの理学療法
このEBMが生み出されたことによって
いつのまにか
患者さんありきの理学療法(PBT?)が
理論や根拠を重視したものにすり替えられました。
ですからよくバイザーが新人に対して
「どういう根拠でやってるの」「それって意味あるの」
という質問攻めをされますが
これが悪しき風習ですよね。
こんな教育のされ方をされれば
誰もが根拠のほうが重要だと思う風に決まっています。
むしろEBMよりも影響がありそうです。
しかし残念ながら
立証されない理論や根拠は
ただの妄想、または思い込みに過ぎない
と考えます。
システマティックレビューやメタアナリシスのような
どんなに高いエビデンスレベルでも
立証されなければごみと一緒です。
例外もある
しかし単純に仮説と検証通りにいかないのがこの世界です。
まず長期的な研究の場合は
これには当てはまらないと思います。
長期的な研究なわけですから検証するのにも当然同様の時間がかかります。
即効効果がないわけなので判断しかねます。
また急性期病院の場合は
そもそも動けないかたが多いため
歩くことすらままならないことが多いです。
このような状態であれば
検証作業が行えない状態です。
ですから安定した歩行を獲得するまで
なかなか検証を行えないのが現実だと思います。
実は・・・
実をいえばこのように説教じみている私も
この仮説と検証を言葉でしか理解できていませんでした。
園部先生の書籍を読んだりサブスクに入ったりしていたので
言葉としては
かなり聞きなれていたはずのですが
根本を理解できていませんでした。
理学療法の先人たちの言葉って経験していかないと
やっぱわからないもんなんですね。
その言葉の真の意味を理解できたのは
患者さんを悪くしている
という事実に気づいた時です。
それも理論通りの介入を続けているにもかかわらず
真逆の結果になったことに驚きましたし、ショックでした。
私は失敗しなければわからない人間なので
今後頑張りたいと思います。。。。
ですが
他の人が気づいていないことに気づけた優越感に浸る
のも私のモチベーションの一つとなっております。
とんでもないクズですね。
みなさん
こんな私に負けないように頑張ってください。
まとめ
①EBMによって根拠を重視とした理学療法になっている
②患者さんに効果ありきの理学療法が重要
➂エビデンスも立証されなければごみと一緒
④仮説と検証は命
いかがでしたのでしょうか。
よくTwitterとかで見かけるのですが
「最近の子はYoutubeとかTwitterで情報を得てるから話にならない」
「論文を読むこと重要なのに」
という先輩風を吹かしているやからがいますが
仮説のことについてネチネチ言っていること自体ナンセンスだと思います。
どんなにめちゃくちゃな理論であれど
立証されればそれは確かな治療になることを
認識してください。
今回はこれで以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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