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疾患別のアプローチは存在しない

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

疾患別のアプローチ

について話していきたいと思います。

「変形性膝関節症の理学療法」

「五十肩の治し方」「股関節を攻略する」などなど

といったタイトルは見飽きるぐらいありますよね。

このような書籍は割と臨床で生かせるものもあります。

しかし私は思います。

疾患別のアプローチは存在しない

なぜこのように思うのか

私なりに書かせていただきますので

よろしくお願いいたします。

それでは始めます。


そう思う理由

まず結論から書きたいと思います。

そのように思う理由は・・・・・







病態が人それぞれで違いすぎるからです。



病態は患者様の数だけある

同じ疾患だとしても

同じような機序はほぼ間違いなく辿りません。

その患者様の解剖学的要素や

社会的背景、既往歴、心理状態、人格など

様々な要素が重なることにより

疾患を罹患します。

このような要素は患者様それぞれで違うはずであり、

この要素が違う時点で経過の仕方も違います。

つまり存在するのは

疾患別のアプローチではなく

病態別のアプローチというわけです。


記載できる内容も制限される

前述したとおりであれば

病態別のアプローチをかけばいいのでしょうか。

はっきり言って不可能に近いでしょう。

それは先ほど述べた通り

病態は患者様の数ほどあるからです。

これを記載するとなると

症例報告をひらすら記載することになります。

そんなものは誰も読みません。

では何を記載するのか。

治療法といっても

疼痛部位に対するアプローチや疾患部位のROM拡大、

筋収縮法といったようになると思います。

いってしまえば対症療法です。

これは筆者の悪意によるものではなく

どうやっても対症療法しか記載できないのです。



治療には全身を網羅した知識が必要

結局のところ

原因療法をできるだけ実現するには

全身の知識を持つしかないようです。

局所的な知識だけでは

対症療法になる可能性が高いです。

機能解剖や運動学、力学、生理学を

基本とするのはいつの時代でも変わらないでしょう。



まとめ

・疾患別のアプローチは存在しないが、病態別のアプローチは存在する
・書籍になるとやむを得ず対症療法しか記載できない
・結局のところ全身の知識が必要である


今回はこれで以上です。

治療の参考には

書籍やシステマティックレビューを読むだけでなく

自分の症例に近い、症例報告を読むのもいいと思います。

臨床家はこのように病態にはさまざまなものがあるわけですから

症例報告を行い、データを蓄積することも重要な役目と考えます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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