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北海道新幹線が札幌まで延伸されたらどうなるか予想してみた



0.はじめに

2030年の札幌オリンピック誘致が断念され、北海道新幹線の全線開通も先送りになりそうです。資材も高騰してるので、長引くことでしょう。
現状は赤字ですが、札幌まで開通したら北海道の交通はどうなるか、いろいろ考えてみました。


1.特急北斗の扱い

並行在来線の廃止や貨物をどうするかについては報道されますが、特急北斗の扱いがどうなるかはあまり報道されません。
素直に考えれば、長万部~新函館北斗が新幹線になるため、長万部までの短縮運転になるでしょう。長万部から先、北斗までは3セク移管ではなく、バス転換になると見ています。
そうすると、苫小牧や室蘭から函館に向かう場合、特急北斗→新幹線→はこだてライナーと2回乗り換えが必要になります(新幹線が函館まで乗り入れれば別)。北陸のサンダーバードのような乗り換え問題が発生しますね。体感的には早く感じない上に、乗り換えと運賃値上げというデメリットが発生する可能性があります。
特急すずらんについては通常通り運行されるでしょう。さすがに新幹線を使って長万部から室蘭へ向かうことはないはずです。


2.並行在来線について

新函館北斗~函館が3セク化、それ以外は廃止、バス転換になると思います。ただし、周知の通り、バス運転手が足りません。特に小樽~余市は輸送密度が高いため運転手の数も必要になります。ジャンボタクシーでは到底間に合わない。そのため、小樽~余市が残る可能性もゼロではないと思います。このあたりは予想が難しいですね。


3.飛行機との競合について

全線開通すれば、東京~札幌が一本で繋がります。これによって飛行機との競合はどうなるでしょうか。

まずは、丘珠(札幌)→函館。運賃の問題さえクリアできれば、新幹線に流れる可能性は高いと思います。函館空港は中心部から遠いので、新幹線のほうが好まれるでしょう。函館駅乗り入れが実現すれば利便性も上がります。
次に千歳~青森、盛岡、仙台。こちらもそれなりに新幹線にシフトすると予想します。このくらいなら新幹線に続けて乗っていられるでしょう。まあネックは運賃なんですけどね。秋田、山形は新幹線一本では行けないので、さほど変化はないかと。福島は、どうでしょうね?仙台乗り換えを許容できるかどうかでしょう。ちなみに北海道新幹線と東北新幹線は改札を出ずに乗り換えても「通し特急料金」が適用されないらしいので、その点もネックになるでしょう。

最後に千歳~羽田。現状では所要時間の関係でそんなに多くはシフトしないと思います。羽田~博多と同じです。盛岡以北と青函トンネルの制限速度をクリアすれば多少変わる可能性はあります。やはり運賃が・・以下略


4.更なる延伸はある?

札幌まで延伸した先の話なので、だいぶ未来の話にはなりますが、一応予想。
有力なのは旭川。沿線人口も比較的多く、輸送需要もあります。
ただ、現状の特急で充分速いのも事実。高速バスに押されていますが、スピードでは勝っています。問題はやはり運賃です。バスのほうが安い。これから人口は減っていくので、無理して延伸する意味は薄いかと。財源も確保できないでしょう。


5.これからの公共交通と暮らし

北海道に限らず、今後はますます人口が減少し、鉄道・バスともに路線は短くなっていくでしょう。不便になるのは辛いですが、仕方ない側面もあります。バスについては運転手の待遇が良くないのが問題です。長時間労働の割に低賃金では誰も集まらないでしょう。結局、今の公共交通はそうした人たちの粉骨砕身、言うなれば犠牲の上に成立していると言っても過言ではありません。その現実は直視しなければなりません。

巨大化した市街地を結ぶ交通ネットワークを維持することは、もうできなくなってきています。今後はもっとコンパクトな街になっていくでしょう。街まで遠いのにバスはない、となれば市街地は縮小せざるを得ません。
そうした未来を見越して、徒歩や自転車で運動、旅行をする意義は大きいです。このブログで何度も発信していますが、現代人は歩かなすぎで、そのせいでクルマに過剰依存している。1km程度なら誰でも充分歩けます。往復12km程度なら自転車でも良い。この程度の距離に対して自動車を使うのは明らかに「コスパが悪い」のです。消費するエネルギーに対する短絡効果がほとんどないわけですから。
今や買い物はスーパーでのまとめ買いが当たり前になりました。その場合、クルマは大変便利です。たしかに、非常時の貯蓄のためにも買い置きは必要でしょう。しかし、それも毎日少しずつ買いにいけば済む話。小分けにして買いだめすれば、1回の荷物は減ります。そうすれば、クルマでなくてもなんとかなります。
もちろん、家庭によって事情は変わると思います。ここで問題にしているのは「クルマありき」の生活スタイルです。クルマがないと生活が成り立たないというのは、よくよく考えたら貧相な話。もっと地に足をつけたような自然な生活を、少しずつでも目指すときが今、来ているのではないでしょうか。
新幹線が開通すれば、都市間移動は便利になりますが、地域の交通ネットワークは弱体化します。開通が楽しみな人も多いかと思いますが、きちんと生活ができるように考えていかなければなりませんね。

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荒野の旅人
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