【短編小説】イルミ・クリスマス
ホテルのシングル室から見る都会の夜景は、それなりに美しかった。
前入りした今日は何も予定がない。明日の朝まで、この部屋でのんびり過ごしていればよかった。明日の為の資料は完成していたし、初めての取引先への訪問でもないから、緊張もない。どうせ、年末の挨拶を兼ねてのものだから、向こうもそれほど気を張ったものではないだろう。
一緒に来た同僚は、こっちに友人がいるとかで、隣の部屋に荷物を置くと、早々に出かけて行った。この日の夜に示し合わせて会うのだから、ただの友人ではないのかもしれ