【短編小説】言葉にできないこの想い
彼女から手紙が来た。
内容は他愛のないもので、学生時代の思い出を語るのに大部分が費やされた後、最後の最後に、『また会いたいね。』と書いてあった。
仕事から帰ってきて、滅多にない封書の到着に驚き、差出人を見てさらに驚いた上、最後の一言を見て、その場に崩れ落ちそうになった。
まだ、スーツ姿のままの自分が、手紙を手に真っ直ぐにリビングに入ってきて、それを読んで動揺している様は、傍から見ればかなり滑稽なものだと思うが、一人暮らしの自分にそれを指摘する人もいないので、まぁ、いいんだ