【短編小説】本当にそれでいいのですか?♯一つの願いを叶える者
職場の入っているオフィスビルを出て、最寄り駅までの国道横の道を歩く。国道の車通りは激しい。どうせ、まっすぐ帰っても、少し寄り道しても、帰る時間はそれほど変わらない。家では、妻が夕食を準備して、帰りを待っていることは分かっていたが、僕は、最寄り駅への地下への階段の脇を通り抜けて、その先の歩道橋を登った。
歩道橋の、国道のちょうど中央辺りで、足を止めて、下の国道を見つめた。
光の川だ。色とりどりの光が、国道を走っていく。
どれくらい、ぼうっとその光の川を眺めていただろうか。ふと