見出し画像

たった1冊!直販農家が読むべきお勧め本

こんにちは。アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。

僕は宮崎県宮崎市に住んでいます。先日から雨が続いており、そろそろ梅雨入りの気配です。沖縄は梅雨入りしましたしね。

今年の3月頃に農業関係の書籍はすべて読むと決め、時間をみつけては読んでいます。
今日はその1冊のご紹介です。農業関係の書籍は面白くないものも多いんです。特に学者さんが書かれた本とか。なので、おすすめ本を紹介して、農家さんがムダなく知識の習得が出来るようになればいいなと思っています。
それと、忙しい方も多いだろうから、この書評を読んで最低限のポイントが掴めるように書きたいです。

今回ご紹介するのは

直販・通販で稼ぐ!年商1億円農家 お客様と直接つながる最強の農業経営

著者は寺坂農園株式会社 代表取締役 寺坂祐一 氏です。


この本は2015年9月に初版発行され、手元にあるのは2018年発行の11刷です。11刷まで重版かかっている!かなりの発行部数行っているのはないでしょか。今まで読んでなかったのか!という反省がありますが、反省しつつ、すでに読んだという人が多いこともわかりつつ、書評を書きます。

以下、寺坂氏のプロフィール抜粋です。

18歳のとき、売上600万円、借金1400万円という"超赤字農家"の後を継ぐ。就農後に新しくはじめたメロン栽培の規模をコツコツと拡大し、ようやく売上1200万円に。26歳で結婚し、農業に意欲を燃やすが、メロンの価格暴落がはじまる。勇気を振り絞り、周囲の反対を押し切って国道沿いにメロン直売所をオープン。お客様への直接販売をはじめる。31歳のとき、偶然、コンビニで手に取った本を通じてダイレクト。マーケティングを知る。世の中には仕組みがあり、戦略があることを知り、衝撃を受ける。のめり込むようにダイレクト・マーケティングを研究し、農業との融合を実践。ここから一気に業績が急上昇。8年で売上4倍の年商1億円を突破する。
北海道での農家のインターネット販売ではトップクラス。ダイレクト・メールを郵送する会員数は2万人を超え、生産されたメロンは直販ですべて売り切れる。

長いので一部抜粋です。多分、書籍を発行された2015年当時のものだと思われます。

ご実家を継がれた様子ですが、お父様はサラリーマンで、祖父祖母、母親が農業をやっている兼業農家だったようです。それにしても、売上600万円は少ないですね。借金も返す見込みがなさそうですが、お父様がサラリーマンなので融資がおりていたのでしょう。

18歳で寺坂氏は農業を継ぎます。そして、メロン栽培を開始するも、これからという時にメロンの価格が暴落。バブルも弾けて贈答用の高級フルーツが売れなくなったり、美味しいスイーツがたくさん出てきて、高級フルーツ市場と競合したりしてましたね。私もその時期に業界にいたので、「メロンは売れなくなったね」とよく聞かされてました。素人には食べごろがわかりにくいことも敬遠される一因でした。

寺坂氏の転機は、

直売を始めてお客様に直接売る喜びを知ったこと
その時期にダイレクト・マーケティングに出会い、勉強、実践したこと

ではないでしょうか。

ダイレクト・マーケティングとは、外部の流通チャネルを介さずにターゲットの消費者との直接のコミュニケーションを図ることをいう。byコトバンク

成功している農業者はよく勉強をしています。しかも、農業以外のところから。

寺坂氏は他にもランチェスター戦略のこともよく勉強されています。

ランチェスター戦略とは弱者の戦略とも呼ばれ、エリアや商品などを絞り、事業に集中して、その事業領域でシェアを取っていく一点突破の戦法。

第1章、第2章では直販を始めたところまで丁寧に書かれています。

この本の醍醐味はこれからです。直販を成功させる考え方、売上を拡大していく方法と過程などが第3章以降に述べられています。

第3章のポイントは、ダイレクト・マーケティングの「売上の方程式」です。

(見込み客×成約率)×単価×頻度=売上

「見込み客」がポイント。購入してくれそうなお客様のことです。お客様リストも見込み客。この見込み客は毎年積み上げる必要がありますね。直販をする農家さんはお客様リストを積み上げて作る必要があります。

寺坂氏は家が火事になった時に、命の次に大切なものはこの「お客様リスト」だと言います。これがあれば「0」からでも再起できると。

第3章でもう一つ。

「なぜ、数多くの似たような商品・サービスがある中で、私はあなたの商品を買わなければならないのですか?」

直販を目指したい農家さん全員へ送りたい質問です。

第4章ではお客様と継続する仕組みが述べられています。
キーワードは「SNS」です。農家さんは苦手な方が多いかもしれません。しかし、この「SNS」があるからこそより多くの農家さんが直販市場に参入できるのです。このブログを見た方は、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどをまずはアカウントを作って、触ってみることをお勧めします。

お客様との関係を継続するためのファン作りをSNS等を使って行なっていきます。地道な発信が必要ですし、「また来たい」「また買いたい」と思ってもらえる仕組み作りが大切です。

そして

お客様の心を掴む投稿とは?
・お客様にとって価値のある記事
・富良野(農園のある地域)の様子、風景を伝える
・農園の様子を伝える
・”裏話的”な記事
・お客様の声をご紹介
・シズル写真にはこだわる
・ちょっとバカでユーモアを
・農業に対する想い、理念を伝えていく
・クレームを発生させる(起こったクレームのことを敢えて書く)

第5章では規模拡大に向けての考え方や実践が中心です。1億円の売り上げはひとり農家では無理です。自分は社長として何をすべきか、従業員との役割分担。生産から収穫、発送までの仕組みづくりが述べられています。
この仕組み作りは規模拡大農家さんのキーワードですね。非効率な農業生産の効率をどう上げていくのか。妥協なき実践が求められます。

寺坂氏も売上が伸びていく過程で、「成長の踊り場」を体験したそうです。

また、社長は生産現場からの脱却を目指す。寺坂氏は「農業作業に逃げてはいけない」「農作業に逃げていないか?」と自問自答したそうです。

経営者として、トップとして、一番やらなければいけない仕事は、

社員・スタッフが気持ちよく働けるように社員満足度を上げることと、売上を上げる(=お客様が喜ぶ仕事をする)こと。

と言っています。

第6章では環境づくり。スタッフも増え、お客様も増え、言わば農業以外のところで悩みが課題が現れます。継続する組織、独り立ちする組織を作り上げるためのノウハウが詰まっています。

寺坂氏の具体的な仕事は4つ

①情報発信
②ビジョンを示す
③社員・スタッフをほめて認める
④最後に責任をとる

ここまでいけば、一般の会社と何ら変わりがありません。できれば、全ての農業経営者にこのようになってもらいたいものです。

まとめ

直販を目指す農家さんにはやはり購入して何度も読み直して欲しいです。この本を読み込めば失敗する確率がかなり減ると思います。そして、直販するには品目を選ぶこと。一般的な野菜ではそもそも無理かもしれません。

地域は関係ないです。SNS時代です。価値のあるものは世界中に届きます。価値を発信して、web上で注文を受ければどこにいても商売ができます。ぜひ、農家の直販を成功させましょう。

自分に必要だと思った方は下記のAmazonサイトから購入できます。

寺坂氏の立ち上げたクラウドファンディングはこちら↓

最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに

最後に。この記事を読んでいただき本当にありがとうございます。
もし良ければ、モチベーションに繋がるので、ウェブで読んでる方は右下、左下にある♡をタップ、アプリで読んでる方は「♡スキ」と最後にあるので同じくタップお願いします。あと書いてほしい事がありましたらTwitterでもnoteでもコメントよろしくお願いします!

----------------------------------------------------------------------------

【東京開催 農業流通のプロが教える新規就農セミナー】

東京でセミナーを開催します。少人数制ですので、計3回に分けます。日程と詳細は下記の通り。さらに人数限定ですが、30分程度の個人コンサルもやります!

6月8日(土)18:30〜20:00 アットビジネスセンター池袋駅前本店 10名限定
6月9日(日)13:00〜14:30 アットビジネスセンター東京駅  8名限定
6月9日(日)16:00〜17:30 アットビジネスセンター東京駅  8名限定

農業をやってみたいという方、農業に興味のあるという方、実際に農業関連企業でお仕事中の方でも構いません。時間の許す限り、いろんな事例をお話ししたいと思います。

詳細と申し込みは下記のURLより

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfdZYAIhCkrE4PN4rYT3KwdzpdRe4527_hgPji8dsCFtAF-aA/viewform?usp=pp_url

----------------------------------------------------------------------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?