見出し画像

10・10・10…10

不意に思い出したことから何処にたどり着く話なのかはわからないながらも書き始めることがしばしばある。

初めて舞台の台本(あれは体裁もなにもあったものではないから戯曲とは言えないが書いたものが舞台の上で芝居として演じられたのだからそれは舞台の台本だったには違いない)を書かせてもらったのは2012年の話。なので、ちょうど来年で劇作家としてはまるっと10年となる。

12歳から詩を書いたり、小説を書いたりしていた自分が、まさか紆余曲折を経て劇団を立ち上げて、いろいろな人と仕事をするようになるとは想像だにしていなかったことだ。

何かが無駄だったとか、もう少し早く演劇に携わっていればとかはあまり思ったことがない。恐らく自分にとってジャストなタイミングで物事は動き、始まっているのだ。

劇の台本を書くまでは正直芝居が何であるのかわかってすらいなかったし、観ている量も少なかった。同僚が出ているから年に1回観に行っていたぐらいで、戯曲を読んだことさえなかった気がする。
(多分私が書いているのは戯曲とは体裁が違うものだとは認識している。戯曲なら普通はこんなことは書かないということも書いているので)

少なくとも戯曲、演劇って面白いなぁと思った瞬間、観劇の量をかなり極端な上げ方をした。年1回だった人間が、月25~30ぐらいの観劇数に引き上げて、毎日仕事終わりに下北やら新宿に行くという日々が半年から1年ぐらい続いた。あれはあれで懐事情はかなりな状況にはなったものの、必要な日々だったと思う。

そうこうして2013年に劇団を立ち上げる。つまりは2023年で設立10年を迎える。だが舞台ってどうやって、誰がいれば出来るのかを全くわからない人間がすぐに公演をやるなんてのは無理なわけで。2013年に花やしきの中にある劇場でやる舞台の話をTwitterで見かけて、ゾンビエキストラで参加することに。それがきっかけで舞台監督のつてが生まれ、暫くの間、その方と劇団公演を作っていくことになる。今お元気にしているだろうか。
(この期間、特撮映画のエキストラで参加したりとわからないなりに必死だった時期である。自分がどっちの方向を向いているのかすらわからない程度の混乱をしていた。)

設立はしたものの、翌年4月、つまりは2014年4月に劇場の確保が出来、これはもう劇団としてちゃんとというか、しっかりやっていかねばならんぞ、という追い込みを自分自身にかけたわけである。つまりは2024年で旗揚げから10年を迎える。

来年から10年10年10年と迎えていくにあたって、10年前よりもいいものを書きたい欲求というのはあるわけで、少しは誰かの心を動かす作品を生み出せたならと願って祈ってるわけで。誰もが日々行っている会話の中で不意に自分たちが作ってきた芝居のことを、役者のことを思い出してもらえたらなと思うわけで。

そんな10年について考える中、10年目とか10周年とかをどうしようああしようこうしようとか考えるのもあるんですが、どちらかと言えば、次の10年をどうするかの方にやはり意識が行きます。22年になればもう23年の公演予定を、劇場やスタッフさんの確保をしたりと、予定は詰まりに詰まっているところ。

不特定多数の誰かに楽しんでもらうよりも、特定の誰かが楽しんでもらえるように今後も書いていきたい自分がいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?